第10話

二組のカップルが、

校門前で待つこと、数分後のこと。

俺も、てか、多分、藤島くんも

林ユーコも何が起きたのか分からなかったと思う。

三人して、

「え」って、はもったから。

黒塗りのロールスロイスが

校門前に止まったんだ。

滅茶苦茶高級な車。


一生かけても、乗れないだろう高級車。


運転席のドアが開き、

白髪頭の上品なおじいさん運転手が

お辞儀をしてみせた。


「お迎えにあがりました。

お嬢様...!」


「さ、車に乗って。シンジくん」


「え」


俺は西園寺さんに引っ張られ、

車に乗ることになった。


「ちょっと...!なんなんだよ、

なんで...」


乗り込む際、藤島くんは叫び、

林ユーコは呆気に取られてた。

それから

俺は車の後部座席から2人が膝から崩れ落ちてるのを見た。


藤島くんは携帯を握りしめてたが、

何かすごく変な顔してた。





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