第3話
だが。
そう思った次の瞬間...!
手ぶらだった筈の右手が塞がった。
「え..」
驚き、すぐ横を見ると。
学年一の地味女。
黒髪眼鏡で、ポニテにもツインテにもしてない
長い髪の毛。重ためのぱっつん前髪。
通称
「貞子」が俺のすぐ横にいて。
しかも、何を血迷ったか、
俺の右手をぎゅううっと力強く左手で握り締めてた。
驚いたが。
悪い気はしない。
温かく。
人の体温が感じられる綺麗な指した手だった。
手荒れなどしてない、艶々の手の甲を見ながら俺は。
一人よりはマシだけど。
でも、なんで急に?と訝しがった。
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