概要
能力が使えるタトゥーを手にした男子高校生の真幌は、自分を裏切った人を焼き殺してしまう。直後、科学者集団の男二人に拉致されそうになったが、タトゥーを持った少女・瞳と謎の和服男・サブロウに助けられる。そこに同じくタトゥーを持った不良グループの水牙とその相棒の義水が合流し、タトゥーは能力と共に時限性の毒が仕込まれていると聞かされる。つまり、一ヶ月以内に誰かにタトゥーを譲渡しなければ、即死だ。瞳は植物を操る植物画、サブロウは動物に変身できる動物画、水牙は水を操る水墨画、真幌は火を操る地獄絵図のタトゥーを保持していた。現在、不良グループ、宗教団体、科学者集団、反社組織がタトゥーを巡って対立しているという。
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- ★★★ Excellent!!!万能な武器を手に入れたとき、使わない勇気はありますか――――
主人公はたくさんの裏切りにあい、憎悪を燃やす。
どうして自分ばかりがこのような酷い目に合うのかと歯噛みし続ける。
何も信じられず、相談できる相手もおらず、心のうちに抱えた黒いものは濃く大きく成長し続けた。
そんな時手に入れたタトゥーによって、物語は読者を惹きつけるように進行していく。
人は弱い生き物だ。
もしも強いと思っているのなら、それはまやかしだろう。
今ある苦もなく生きている現状が、ある日突如として間逆の状態にひっくり返ったとき。
目の前に、大きな力を突きつけ授けられたなら。
不安を拭うために、その力を利用する。
悲しいが、それが人間だ。
殺したいほどに憎む相手が目の前にいたなら、そ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!強い力を手に入れて、目の前に憎い相手がいたら、殺さずにいられるだろうか
「応えよ、タトゥー!」
印象的なセリフで発動する発火の力。
不審な男から譲り受けたタトゥーで異能を得た少年が主人公という、導入から何とも厨二心をくすぐられる物語です。
強い力を手に入れても、それを正しく使える人は多くないかもしれません。
主人公・真幌はこの力を使い、自分を陥れた友人や教師らを焼き殺してしまいます。
正直、同じ状況になったら、私も同じ過ちを犯さないとは言い切れないなと、ゾッとしました。
罪悪感と、恐怖心。
例え力の行使に代償を払うのだとしても、一度ついてしまった傷を消すことはできません。
皮膚に描き込まれた『タトゥー』が、象徴的に思えました。
物語の中で、真幌は多くのもの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人界の怨讐を燃やせ、タトゥー!
己の望みを叶える能力を手にしたとき、人は踏みとどまることができるか――
高校三年生の真幌は、ある日謎の男から不気味なタトゥーを授けられる。念じただけで対象を跡形なく燃やしてしまう刺青だ。人間関係のいざこざから、級友と教師、スクールカウンセラーを「焼死」させることに成功した真幌は、得意の絶頂だった。証拠なく、嫌いな人間を消すことができた! 最高だ!
だがタトゥーには、それを用いることの恐ろしい代償があった。
◇
猟奇的な犯罪の報道を目にするたび、多くの人は、それを「特殊な人格の」持ち主が行ったことと考えようとします。犯人を理解しがたい存在にみなし、自分達の日常から切り離して…続きを読む