万能な武器を手に入れたとき、使わない勇気はありますか――――

主人公はたくさんの裏切りにあい、憎悪を燃やす。
どうして自分ばかりがこのような酷い目に合うのかと歯噛みし続ける。
何も信じられず、相談できる相手もおらず、心のうちに抱えた黒いものは濃く大きく成長し続けた。
そんな時手に入れたタトゥーによって、物語は読者を惹きつけるように進行していく。

人は弱い生き物だ。
もしも強いと思っているのなら、それはまやかしだろう。
今ある苦もなく生きている現状が、ある日突如として間逆の状態にひっくり返ったとき。
目の前に、大きな力を突きつけ授けられたなら。
不安を拭うために、その力を利用する。
悲しいが、それが人間だ。
殺したいほどに憎む相手が目の前にいたなら、その武器がどれほど危険なものなのかと考えるより先に憎む相手に向かって武器を向けることだろう。

痛い。苦しい。つらい。
理不尽の中で、必死に手にしようともがくものは一体なんなのか。
後悔と納得。
主人公が突き進む中で手にした優しさと、苦しさを一緒に味わって欲しい。
読み始めたら、きっと止まらないはず。
是非、ご一読を。

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