綿密に練られた物語

過去のアスコラクシリーズを読んでいる読者なら、この物語のつながりにハッと驚くことだろう。

アスコラクに付き従う者たちが驚愕とともに、その真実に怒りをあらわにする。
しかし、彼ら彼女らに大口を叩けるはずなどない。
それでも、そうせずにはいられないほどの犠牲がそこにはあった。
あれほどに縋り欲したものが、まさか生きている人間の上に成り立っていたとは。
何かを犠牲にして生きてしまうのは、知恵を持ってしまった人間の性か。
悲しいかな、そうしてでも手に入れたいと願ってしまうのだろう。
アスコラクによって、延々と繰り広げられてきた悲しみの連鎖は断ち切られる。

ぜひ、ご一読を

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