歴史と民俗のからみあう密林に咲いた徒花を、首刈り天使が斬る。

雨季に森が水没するほどの雨が降るガレート族の地では、雨季を終わらせるための戦争『ツベトクバナー』が毎年行われていた。
対立する部族民の首を狩る戦いは、何故か〈花の戦争〉とも呼ばれている。
かつて西の大国の植民地支配をうけ、搾取された地に残る風習は、大陸全土でひろく用いられる薬草の起源に関わっていた。

〈首刈り天使〉アスコラクは、イネイとフィラソフとともに調査に乗り出すーー

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アスコラク・シリーズの新作です。今回は標的不明のまま物語が進行し、終盤で明かされる真相に戦慄を覚えます。
文化人類学的な舞台背景に、歴史と気候変動、植物の生態までからんだ謎解きは、読み応えがありました。

クールで知的で残酷な、アスコラクの魅力をご堪能ください。

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