基礎2) キービジュアルを作る

ぽっと灯った創作意欲。

心を掴んで止まないイメージに感情。

今回より段階を追って、このぼやったとしたイメージを

連載各話に振り分けられるまで具体化、

いわば物語の解像度を上げてゆく作業に入る。


これ、いうなれば彫刻家が丸太から仏像を彫り出すアレと似ていると感じている。

丸太の中に「すでにある」ご本尊を救出である。

見えるまま正確に掘り出したいもの。


ということでまず具体的に完成させるのが、キービジュアルとなる。

あらすじ、ではない。

最初にぽっと浮かんだ「こんなヤツ」をともかく、イメージポスターよろしく鮮明化させる。

必要なものは妄想力のみ。

絵心あろうがなかろうが、出来れば紙とペンで書き出すがなおヨシ。


駆使してぱっ、と仕上がったなら文句ナシ。


抽象の域から抜け出せないボケボケの場合は、さあお立合い。

過去観た映画やアニメに読んだ小説、実体験。何でもかんでも近しいものを引っ張ってくる。しっくりくるまでツギハギ。代用。「これこれ」と納得できるように組み上げてゆくのだ。

この時のために普段からジャンルを超えてのコンテンツ吸収は必須で、たくさん本を読めとか映画を見ろ、は大事だと思うのである。


でもこれじゃ、ただのパクリぢゃないか。

思うやもしれないが、そもそもほとんどの作品が先行するものあっての亜種である。丸ごと借りてきた設定をあてがわない限りこの程度をパクりとは呼ばないし、呼ばれない。だいたい己がセンスのコラボで攻めれば必ず独創的と仕上がって似なくもなるし、執筆にかかればなおさら離れて「自分のもの」へ変わってゆくはず。

そしてこれを「アレンジ」と呼ぶのだ。

ビビルことなかれ。


そんな「キービジュアル」作りのさい、細かい整合性は放置でいい。

どんなキャラがどうなるか、もさておいて、

自分の中に浮かぶまま、感情やシーンへあくまでも忠実に仕上げていこう。

カタイ頭を開放して、お子様のように自由奔放が鍵。


またビジュアルなので色や質感も再現出来たらなおヨシ。

乾いた感じ、ウェット、ソリッド、都会的、パステル、もこもこ、ざらついた古いフィルムが回る、ダーク、ポップ、濃厚、水彩等々。

これらは作品の舞台となる世界の雰囲気を一括で掴むキーワードだ。

とらえておくと後々、細部の取り決めで選択肢が限定されてくるから至極便利。


よくテーマやジャンルを決めて、それから登場人物を決めて、と積み上げてゆく手順を見かけるが、料理で言えば冷蔵庫にある素材でなんとか旨いものを作るに似ているように思え、手練れ感が拭えない。

できる方はソレでいいけど、

その方式で行き詰まりやすい方には、今から作る料理の写真(キービジュアル)を見てから必要なものを買いそろえてゆく方が失敗なく進められると、オイラは考えるのである。


定番の逆算方式。

今後もほとんどの手順が、浮かんだイメージからの逆算方式である。

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