実作6) 段落分けと読む速度

段落わけで、読み手の印象は大きく変わる。


最近は横書き、電子媒体で読むが本流のためか、

画面の見やすさを優先して段落とは別に一行、ないし二行、

会話や、文章の間に空白を入れて見やすくする方法もあるが、

今回は基本的な仕様、紙面に印刷した際の形式を前提に展開する。


正直、特にルールはないんじゃないかと感じている。

こうすればいい、と色々目にしてきたが、

どうも厳格なルールはないっぽい。

統一された間違いのないものがあるとするなら

「会話の次の地の文の始まりは一段下げる」くらいか。

ということで自分でルールを定め、読み手に伝えたいように伝えるための工夫をするしかないのが現実、ととらえる。


ということでオイラの場合。

映画で言うところの「ワンシーン一段落」がルールその1だ。

これ、かなり一段落の文章はかさばる。

みっちり詰まって読みごたえ感も増す。

だからして途切れず一気に、じっくり読ませたいシーンに使用する。

どちらかといえば重苦しいシーンとか、フラットに淡々、平凡なシーンとか、説明文もここに入る。


ルールその2は「ワンカット一段落」である。

シーンはいくつものカットで成り立っているわけで、

カメラが切り替わるたびに段落をつけるやり方である。

どちらかといえば一文は短く、次々改行されてゆく。

おかげで素早く読める。

ということで、テンポを出したいシーンになるとコチラへ切り変える。

あら、単純。

(そうは思えない、と感じた場合、もうあなたのスタイルは確立されているということで)


でも使いようによって表現へ多様性を加味するアシスト材料になる事は確かだ。

たとえばアクションシーン。

一つの段落でみっちり書く緊迫感マシマシパターンと、一文一文を段落分けして書くスピード展開パターンと。

たとえば心理描写。

一つの段落でみっちり、考えあぐねるパターンと、心の変化に伴い段落分けした翻弄パターンと。

たとえばモブシーン。

複数の人間の動く様を一つの段落に詰め込む密集感と、分けて書くシステマチックパターンと。


どちらが正解か、ではなく、どちらが表したい情景をなお引き立てるか。

なんとなくやってしまわず

選ぶ、が大事ということである。


もう一つ、予備的な段落分けの方法として論文形式も時に使う。

ひとつのテーマについて語る限り一段落、のやり方だ。

これにより段落(ブロック)ごとの文章の関係性が明確となる。

具体的には時系列を伴う舞台設定の説明(歴史的背景)などによく使用するか。

段落(ブロック)を入れ子構造にすることで平坦になりがちな説明文に展開が生まれ、飽きられやすい説明をなるべく読者に分かりよく、嫌がられることなく、読んでもらおうという姑息な手段である。


とはいえ、この件に関してオイラはだいぶん単純なので、

ご自身でこそ色々研究してみてくださいね。

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