骨格4) 各話の役割・割り振りとフラグ

おおよそながら作中、どんな舞台にどんな人物が登場し、

どのタイミングで何が起きて、

それがどう作用して、

結末を迎えるのか。


1枚の「キービジュアル」よりあらすじや(設計図)、

そこに登場する舞台や人(パーツ)をこれまでそろえてきた。


ここでついにそれらを元に、

長編ゆえ連載形式を想定し各話を作り込む作業

(設計図を基にパーツを組んでゆく、またはデッサン状態の絵へ細部を書き込んでゆく)に入る。

で、いきなり第1話から作ろうとすると絶対路頭に迷うので厳禁。


まずは1曲分まるっとあるあらすじを、1話ごとに切り分けてゆく。

(この1話分が長い場合、後々同じ要領で1連載づつに分離してゆく)


分け方のコツは、物語の進行ポイントごとにが基本。

主人公登場/啓示が下った/旅に出発/最初の困難/ヒロイン登場/……等々。


上記のように切り離し、その話は全体の中でどんな役割を果たしている回なのか、箇条書きにしてゆく。

同時に、必ずやっておかなければいけないコトや、言わせなければならないセリフ、間違ってもやらかしてはいけない事象も「フラグ」と称して挙げてゆく。

(だいたい頭の中ですませるが(その程度の粗さでもある)、もう事態は脳みそからあふれだしていることが多い大詰めに差し掛かった時だけはミスしないよう、紙に書き出し表にすることが多い)


作業を通し、あらすじを掘り下げることで、

アバウトに妄想していたシーンとシーンを繋げるため何が必要なのか、ピックアップされてゆくので適当だった四コマ漫画の流れへも理屈が通ってくる。

繋ぐことができたなら因果関係が明らかとなったことで、登場人物の感情や物語の展開における伏線の張りどころもはっきりしてくる。


主人公がヒロインと出会う回において、出会う場所が修道院と決めたらば、どこかで先に修道院がある、ということを示しておかなければならず、そこへなぜ主人公が行くことになるのか、も設定が必要だな、と気づける。

なら主人公は毎日、市場から修道院へ食材を運ぶことが仕事。でもって外界との接触を断っている修道女はほとんど外の人間と会わないはずが、その時たまたまヒロインと出会ってしまう。

と、言う具合に付け足してゆくあんばい。

(ここで次の設定が要求されてくる。たまたま、って何が起きた? とか。このイレギュラーはドラマの始まりを予感させるキーアクションだなぁと思う)


これらを「フラグ」として書き込んでゆく。

そしてこの因果関係がうまくつながりだすと、

放っておいても話は勝手に転がり出す。

転がり出すと、それまで無限にあった選択肢はある程度の範囲に限定されてくるので、「確信をもって」組み立ててゆける。

この「確信をもって」という感覚は本当に大事。


また執筆時、細かい設定で遊んでも「フラグ」回収さえしてゆけばまとまって繋がるので、本編でだいぶと遊べる余裕もでてくる。


修道院、と書いたが和風な寺仕様にしよう、とか、食料は日々のものではなく、その時限りの祭事向けにしよう、とか。そもそも主人公はいつもの誰かの代りに来て、初めてのため勝手がわかってなかった、とか。

関連して「骨格3)」の登場人物設定も更新できる。コイツ、オッチョコチョイだな。とか、なら本来の仕事は何だ? と、興味を持つまま掘り下げてゆけば一石二鳥。


「フラグ」があると支離滅裂、散漫にならないので本当によい。



「手前みそながら「SO WHAT」の場合」

(サブタイトル全6話/連載回数51回)

最終的には51回分の「事件軸」と「人間ドラマ軸」の二本を並行展開していた。全部を挙げるととんでもなく多いため、最初、6話に分けた時のだいたいを例として。


第1話 出会い回

(主要登場人物と主要な舞台説明回。そのためのベーシックな事件勃発。映画館運営描写。キーワードは握手)

第2話 初出動回

(各登場人物の役割、性格、特徴、説明回。とにかく全員が活躍できる事件、エピソードをブチ込む)

第3話 協力・責任自覚回

(視点担当主人公がカウンター組織の一員を自覚する回。一体感。ここまで読者を一気に引っ張りたい)

第4話 ブリッジ部 親睦回

(事件ナシ回。ため込んできた人間模様を整理。最後の事件、ラストへ向けての養生。前フリ回。唯一のほのぼのパート)

第5話 現実甘くないよ、ラストが浮わつかないようにシビア回。伏線回

(唯一の派手な銃撃戦回。犯人の仕込み。勝負をかける)

第6話 決着回

(華々しく舞台は海外。ショーとシンクロ進行。人間関係も決着つけて、犯人とも直接対決)

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