実作2) 計画とアドリブ・思考と気づき

今さらだが、やはり実際に書き出すまでは、これまで作り込んできた設定やあらすじはあくまでも「予定」でしかない。

予定通りに書くというのも間違いではないが、書いてゆく中で

アレ、違うな

違ってきたな

と思考が深まり気づいたり、

これも放り込みたい、とアドリブ、

長編ならでは閃いたりすることがある。


もちろん気づきや閃きなど、計画外のハプニングが間違いである、

と言える根拠などどこにもない。

なにせ自分が作り手。

白といえば白になり、黒といえば黒にできる立場である。

やりたいと思えば、やるべきだと感じたら、やればいいのである。

むしろ無視して無理やり計画通りにはめ込む方が歪になったり

執筆意欲が削がれたりすることもある。


想定外を放り込む。

進路変更を試みる。

バッチこい。

そのために設定にあらすじはユルめに仕立ててきたようなもの。

だが唯一、忘れてはならない点がある。

「骨格4)」だけはなんとか維持すること。


特に「最終的にはこうしたい」へ、まとまるようにだけは

あまりに逸脱しないよう注意を払うが大事だと考える。

最終的な結末ごとごっそり変えてまで進路変更するとなると、

内容によってはねじれが生ずる。入り口と出口が矛盾してしまう。

という大事件が起きかねないことを警戒したい。


事件を追っていた刑事が恋愛を成就させて終わるとか

事件、どうなった。

永遠の命を探していたはずが田舎暮らしサイコー、とか言って終わるとか

それでいいんかい、とか。

挙げた例は大げさだけど、なんだか間抜けたことにならないとも限らない。

もう、初めからそのあらすじを立てなはれ、と自分につっこむしかないほどに。


そこまでブレなければ作者の権限発動である。

俗にいう、書いているのではなく天から降って書かされている稀なる状況と、絶賛ノリにのってるゾーン体験に我を忘れて没頭するがヨシと思うのである。

しょせんかしこぶって考えた、意識の範囲などちっぽけ。

潜在意識が顔を出す瞬間を求めて書いている、と言ってもオイラの場合、過言ではない。


ついでにこれがテーマを先に固定しない理由であり、

固定してしまうことで捕らわれることなく、

書くうちにさらにもう一段、掘り下げることで否応なく浮かび上がってくる「真のテーマ」へのアプローチの仕方であったりもする。


毎回、そう神がかったことは起こりませんが。


考えてみればこういうところ、コード進行だけは外さずインプロビゼーション、

パッション炸裂のジャムセッションに似ているかもしれない。

まあ結局、一言でいえば全編はこんな具合。

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