手紙の形式を伴う作品。文体と内容には少しずつ血と肉の匂いが滲んでいきます。淡々とした文体に流れる輪廻らしきものが読み手の鳥肌を立たせます。多くは語らないラスト一文が、逆に全てを語ります。短編ホラーの教科書かもしれません。
無駄がない。終始、ただただ怖く、でもやめられない。引き込まれる一作。設定、筆致、読めない展開、オチに至るまで本当に隙がありません。変にいい話に持っていこうとしたり、緩和の雑談をしたりとか、そういうのはありません。必要がない、と言ったほうが正しいでしょうか。読み手に恐怖を突きつける。それがホラー作品の本懐。この傑作はそれを体現しています。
もしかするとこの手紙は、これからあなたの元に送られてくるかもしれませんよ?
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