【二通目】

 ”

 こんにちは。

 あなたに手紙をだすのは、これで二回目ですね。

 日々、何事もなく、おすごしのことでしょうか。

 あなたは、二度目の私のことを、覚えておいででしょうか?

 私は、あれから、魚になりました。

 魚といっても、そこらの川を泳ぐ魚ではありません。

 からだじゅうが、きらきらと光る、きらびやかな魚です。

 ガラスの箱の中で飼われ、えさを与えられる、きれいなきれいな、魚になりました。

 でも、あなたは、そんな私を、つついて、つかんで、握りつぶして、わたしの中身を、外に出しましたね。

 あなたの指のすきまから、私の、目や、うろこや、ひれや、はらわたが、ぶちゅりぶちゅりと音を立てて、こぼれていきました。

 私だったものは、ばらばらになり、かたいかたい、地めんの上に、べちゃべちゃと落ちました。

 その内、私だったものは、かわいて、干からびて、小さくなりました。

 あまりに小さかったせいか、ハエもよってきませんでした。

 あなたは、その様を、見向きもしませんでしたね。

 あなたは、またうばいました。

 私のいのちを。

 ”


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