概要
中心に眠る自己は存在しうるのか
視点の変わる短編です。3話完結となっています。
油絵を描く二人の男女がいた。彼らは自分の持つ気持ちに気付きながらも現実を変える事はできなかった。そんな二人が出会い、お互い思惑を持ちながら交流する物語。
会話だけ見ればハッピーエンドかもね。
油絵を描く二人の男女がいた。彼らは自分の持つ気持ちに気付きながらも現実を変える事はできなかった。そんな二人が出会い、お互い思惑を持ちながら交流する物語。
会話だけ見ればハッピーエンドかもね。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!本当の自分はどこにいる?
放課後の美術室。油絵を描く男子生徒と、彼に会いに来る女子生徒。
台詞だけなら、二人とも明るい性格のように思える。けれど、それぞれの気持ちを書いた地の文が、二人の発する明るい台詞とは裏腹の、暗い内面の葛藤を読者にだけ教えてくれる。
テンションを上げたり、声のトーンを上げたりして話す二人。自分の絵を嫌悪し、相手の絵を素晴らしく感じる二人。けれど誉める言葉すら、相手は脳内変換をしてしまい、賛辞をそのまま受け取れない。二人は本音で話さない。
多くの人が、上辺だけの人づきあいをしているのでは? 自分の弱さや悩みや嫌悪を外に出すことなく、一定の距離を保った人間関係。当たり前のようにしていることが、この…続きを読む