ひとがたを、とりし糸ひく、傀儡かな。

テーマに関する伏線や情報が、それこそ傀儡を操る糸のように何本も何本も張り巡らされている作品。人形が人形を操ってると思いきやその上にさらに糸が伸びていて……。みたいな、どこまでも見上げるような「仕掛け」がある。
精霊に操られた国を舞台に、誰にも操られずに自分の意志で生きる少年と、その少年を温かい目で見る、「自分の意志で生きること」を願う魔導士の男性が織りなす、「自由へ」の物語。
「自由に伴う責任」や、「自分の意志で生きること」の大変さ、「誰かに盲目的に従うことの気楽さ」などを描きながら逆説的に「自在に」生きることへの希望を書いている。
ぜひ読んでみてください。そして、自分の気持ちに正直になって。

その他のおすすめレビュー

飯田太朗さんの他のおすすめレビュー441