概要
お父様も民も大好きよ。どうか健やかでいて欲しい。
その姫は、小鳥のように詞のない歌を歌う。鳴き真似のようだからと、人は彼女を空鳴き姫と呼ぶ。
森に隠れ住む「彼」は姫の歌声に惹かれて姿を現すが──
第3回こむら川小説大賞参加作品です。ハッピーエンドの異種間恋愛ものです。
森に隠れ住む「彼」は姫の歌声に惹かれて姿を現すが──
第3回こむら川小説大賞参加作品です。ハッピーエンドの異種間恋愛ものです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!かわいそうなお姫様が報われる、王道の物語
深い森の奥、節だけで詩のない歌を歌う『空鳴き姫』と、その歌声に魅入られた何者かの、不思議な交流の物語。
いわゆるハイファンタジーではあるのですけれど、お話の筋としてはタグの通り、ほぼ童話に近いものがあります。心優しく見目麗しく、でも呪いのおかげで半ば幽閉に近い生活を余儀なくされる、かわいそうなお姫様。古典も古典、童心のままに憧れを重ねる対象としての『空鳴き姫』の、その造形の徹底っぷりにため息が出る思いです。
『彼』が好きです。キャラクター性や人物造形はもちろんのこと、彼が物語の視点保持者であること自体が好き。きっと主人公と呼ぶべきは空鳴き姫の方で、そして仮にこの作品が本当に童話そのもので…続きを読む