大好きなタイプの物語です。静かな破滅。「渚にて」「風が吹くとき」などの傑作を思い出しました♫ 作中の、「死は最も清潔なものかもしれない」の言葉はグッときます^_^
本作の魅力は毅然としながらも、どこか儚げな文章だろう。本作で描かれる世界自体も十分に魅力的だが、その魅力をそれぞれの文章が最大限に惹き立たせている。十の情報よりも雄弁な一文というのか、全く異なる世界ながらもまるで眼前に広がるかのような美しい言葉の連なり。しかしだからといって物語の展開を疎かにしているわけではなく、むしろそこに繊細で豊かな心情描写が加わり、より読み手に没入させる。ここまで作品全体で雰囲気を醸し出し、読み手を世界に入り込ませる小説も珍しいと思う。名作。
(語彙力が足りないせいでこんなレビューとなって申し訳ないです)情景描写がとにかく素晴らしく、常に景色が脳裏に浮かび上がっていました。夕焼けと蝶と、なんて素敵な組み合わせと思っていましたが、しっとりとじんわりと、そしてぞわりとし、読後も考えさせられる良い小説でした。こちらの小説は短編物ではありますが良質な映画を観ているような、そんな気分になりました。太宰治が好きな人には間違いなくお薦めです。ごちゃごちゃと言いましたが、一言で言えば大変素晴らしい小説でした!また読ませていただきます!
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