連綿と続く、魔女の秘密

たった一人、国を守る英雄。魔女さま。
遠く離れた村に住む、特にこれと取り柄のない娘ジェシカは、突如として呼び出される。
なぜ自分が? こんな高級な馬車に乗せられていいの?
と、泣いて見送る父母を後に旅立った。
出逢って最初の問いは、「どんな味の魔女が好きか」。戸惑うジェシカに魔女レクシーは、屋敷の掃除係を命じる。

明るい性格のジェシカと、からかい上手のレクシーさんのやりとりが楽しく、ほんわかとさせられる文章です。
でも落ち着いて考えると、呼ばれた理由がなんだか分かりません。
しかし同じ屋根の下に暮らすうち、慣れ親しんでいくジェシカの気持ちはよく分かります。

けれど、やはり本当の目的はありました。それはとても……。
魔女レクシーの想いはとても複雑で、「うん、そうだね」とすぐに頷けるものではありません。
しかし真っ向から否定することもできません。
もしも私がジェシカなら、どう答えるだろう。どうもレクシーを幻滅させそうで怖いなと思います。

それは魔女とこの国に伝わる決まり。ジェシカは受け入れ、悲しみを乗り越えました。
とても切なく、レクシーの提案に乗りたくなってしまいます。でもジェシカの選択を否定できない。
どうか、どうか、魔女たちがその後も幸せでありますように。そう願わずにはいられませんでした。

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