思いの奔流に苛まれる少女の叫び

自らを巡る不条理を、太刀で斬りつけるように描いた作品。
作者のこれまで読まれてきた小説によって裏打ちされた言い回しが、溢れ出る少女の心情を際立たせ、読む者を感傷の渦へと引きずり込みます。
収める鞘を持たない感情が読後には残りますが、それが筆者との共感に繋がるように感じました。

ただ、一つだけわがままを申し上げますと、筆者の好きなことや楽しみにされていることについて書かれたものを拝読できればと思います。

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