概要
限りなく澄んだ自由の果てで、僕らは何を望むのだろう――
【現在、本作の改稿版を某賞に提出しており、レギュレーションの都合上、一時的に非公開とさせていただいております。結果が出るまでしばしお待ちいただけますと幸いです。】
戦争と環境破壊で荒廃した地球を棄て、生き残った人類の多くが電子化された未来。
肉体という不自由を棄て、出来合いの自由と無限を手に入れたはずの僕らの楽園は
枯渇したリソースの問題を解決すべく、もう間もなくリセットされる。
確定された緩やかな終わりを前にして、人は一体何を望むのだろう――。
▽登場人物
僕/桃山龍平 …… 小説家(ストーリーメーカー)
馬春美(マーチュンメイ) …… 僕の恋人
配当屋 …… 僕のビジネスパートナー
老慎(ラオシェン) …… 謎の小説の作者
戦争と環境破壊で荒廃した地球を棄て、生き残った人類の多くが電子化された未来。
肉体という不自由を棄て、出来合いの自由と無限を手に入れたはずの僕らの楽園は
枯渇したリソースの問題を解決すべく、もう間もなくリセットされる。
確定された緩やかな終わりを前にして、人は一体何を望むのだろう――。
▽登場人物
僕/桃山龍平 …… 小説家(ストーリーメーカー)
馬春美(マーチュンメイ) …… 僕の恋人
配当屋 …… 僕のビジネスパートナー
老慎(ラオシェン) …… 謎の小説の作者
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!本作より上手い小説は幾つか見たが、読んで震えたのはカクヨムでこれだけ。
「書く読む」――その名のとおり、カクヨム読者のかなりの部分は、自ら何かしらの文を書く者だろう。
本作はまさに「書く」者にこそ読んで欲しい一作である。
作者の力量、熱量の高いことは同作者の他作品からも充分にうかがえるが、私個人としてはこの一作が最も「刺さった」。
それは本作のクオリティと込められた熱量に拠るところが大であるが。あるいは「私自身が書く者であるから」という点もまた大きい。
「書くこと」「生きること」を命丸ごとぶつけるかのように問う本作。自ら書き、そして生きる者には「刺さる」文句なくそう推せる一作である。 - ★★★ Excellent!!!自己とは何かをめぐる公案、プラトン主義への挑戦状
私達はここで幾千もの物語を読む。しかし、私達が見つめる端末の画面そのものに物語はない。画面に表示されているのは文字の羅列である。物語は、その文字に思いを託した書き手と、それを自らの経験に基づいて追体験する読み手の関係性の中にだけ存在する。
主人公は、人格を電子化した未来世界の小説家、桃山龍平。電子化された世界は300年続いたが、リソースの枯渇を打開するためもうすぐリセットされる。隆平はすべてが0に帰されることを前に書くことを止め、手持ち無沙汰にかつて自分が書いた小説を体験してみることにする。そこで彼は自らのリソースの貧弱さを痛感する (空中ブランコ湯切りは個人的に好きですが)。そして、小説…続きを読む