第13話

階段を最後まで下ると大きな部屋が待ち受けている。

中身の一式と配置といえば二階とほぼ変わらない。

同じように高い機具が数列になって部屋を通路に分けている。

ここが工場の真の内臓だ。

カールは長い間、頭を空っぽにしながら最後の階段に座り、どこからともなく感じる視線を弾いていた。


飛行機が着陸する。

これもまた初めての体験だが、先んずる明確な経験がなくても着陸ぐらいは分かる。

アメリカか?

正直アメリカが本当はどういう所なのかは分からない。そういう事を理解もせずに戦ってきたのが不思議だ。

やっぱ、出来ればここに生まれ変わりたい。そうすれば、ようやく敵を理解できる。

ロボットが歩きだした。

また嫌な振動が頭蓋骨の中で遊ぶ。

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