20 夕くらげ



 この王子サマは、また仕事で付近をまわっていたらしい。

 王族なのに、何でこんなフットワーク軽いんだろうな。


 そんな事があったから、あたしはあつめた宝をクランに渡して、依頼料を貰った。


 でも大金すぎて軽々しく持ち歩けなさそうだったから、孤児院の方に渡しといてもらうようにしたけどな。


 一人旅なんだから、持ち歩ける分があればそれで十分だ。


 近況報告した後は、クランに誘われて、その町の名物を見る事にした。


 夕くらげの遊覧とかいう奴だ。


 




 くらげっていいよな。

 なんか何も考えてなさそうで。

 宙をぷかぷか浮かぶだけの生き物でさ。


 海には水中で生活してる海くらげもいるらしい。

 王城にもあるから、クランが今度見せてくれると言っていた。


 あたしは別に見たいなんて、一言もいってねーのに。


 で、そんな風に話をした後あたし達は分かれた。


 一応ここからはまた、一緒に行動する事になってるんだけどな。


 明日になったらクランと一緒に、ある遺跡に行く。

 そしたら、これまでに集めた宝物で遺跡を動かして、二度と誰かに使われないようにするらしい。


 難しい事は全部あっちでやってくれるらしい。

 あたしは一応その護衛。


 ま、途中ではぶられたら気になるどころじゃなくなるから、助かるけど。


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