06 気弱な少女シェフィ



 グリンウッド城塞都市での騒動では、きな臭いさい噂が飛びかっている。

 何でも、誰かが魔物を操ったとか何とか。

 

 そんなの眉唾情報だ。

 聞いた事がない。


 たぶん皆不安がってて、根も葉もない噂をして、気を紛らわしてるんだろう。


 で、お宝探しは振り出しに戻った為、再びザーフィスを探す事になった。

 奴の情報を求めて、オネエのおっさんに聞いたら、奴は西門からまっすぐいった先にある町へ向かう事にしたらしい。


 あいつ、もしかして魔物の大群の中、進んでいったのか?

 いや、まさかな。


 そんなわけで早々に城塞都市を出ていくんだけど、その道中で魔物の大群に囲まれてしまったのが困った。


 たぶん撃ち漏らしだ。


 かなり雑な標準だったからな。

 都市を包囲していた魔物の大部分は、ケツ向けて逃げてったけど、あたしが遭遇したのはどっちなんだか。


 戦いは、大苦戦だった。

 いくら剣の腕があるっていっても、数が数だったし。


 すぐにピンチになって、ここでお陀仏かと思ったけどさ。

 そこを助けてくれた子がいたんだ。


 名前はシェフィ。


 すごくちっちゃくて、恥ずかしがり屋の少女だ。

 人と話すのに慣れてないって感じで、いつもおどおどしてる。

 でも、魔法の腕はぴかいちで、一発の魔法で何体もの魔物をほうむりさってた。


 何でこんな魔物ばっかりのとこにいたんだろうな?


 疲れて倒れちまったから、起きたら聞いてみよう。


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