13 王子サマとの再会



 目が覚めたらどこかの天幕の中だった。

 なんか周囲がやかましい。

 多くの人が走り回ってるみたいだ。


 周囲を確かめると、あたしはベッドの上に寝かされていた。


 何でも無事だったシェフィが、あたしを安全なところまで運んでくれたらしい。


 あたりには、怪我人が人がいっぱいだった。

 だから、医者とか看護師とか治癒魔法使いとかが走り回ってたのだ。


 あたしの怪我はそんなに大した事が無かったので、すぐに解放された。


 もともと頑丈にできてる体だし。

 大抵の怪我はツバつけときゃなおるしな。


 でも、あの時はほんと死ぬかと思った。

 人生で初めて恐怖ってものを感じた気がする。


 悪魔なんて始めて見たし、皆成すすべもなくバタバタ死んじまうし。

 顔見知りの奴とかも、いっぱい死んじまったし。


 パセリの町はめちゃくちゃになっていた。

 けど、空にあったドームはなくなり、化け物はいなくなっていた。


 何でかな。

 ぜんぜん、嬉しくねぇ。

 ほっとはしたけど。


 頭を抱えていると、町の中で見知った顔を見つけた。


 それは城にいるはずの、クランだった。


 なんで何であのへんてこ王子が?


 定期的に「やあ、元気にしてるかい?」とか「たりめーだろばーか」とか手紙を送って報告のやり取りはしてるけど、こんな所にいるとは思わなかった。


 最後に貰った手紙では、「かぴばらってのんびりしてるから見てていやされるよね」だったか。何にもこの現状に対する関連性がみあたらない。


 仕事しろへんじん王子。


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