15 悪魔について
クランが言うには、今あやしげな組織が、各地の遺跡を荒らしまわっているらしい。
どんな目的があるか分かってはいないが、奴らは遺跡の核となる宝物を狙って盗んで回っているという。
そこまで言って、クランは別の世界の話をしてきた。
その世界は、裏界と呼ばれていて、悪魔が存在しているという。
で、あたしたち人間が住む世界は現界という。
昔はこの世界にも悪魔が存在していたらしいけど、何やら偉い人が努力したおかげて、生存圏を分離したらしい。
大昔の人は、その悪魔が人間のすむ場所にやってこないように、遺跡を使って裏界に封じ込めた。
それで悪魔達は、あたしたち人間が暮らしている世界に来れなくなったのだが、今あやしげな組織の連中が悪魔をこの世界に呼び寄せようとしているらしい。
何だってそんな事を?
自分達だって危ないかもしれないのに?
悪魔を操る方法とかあるなら別だけど。
話が終わった後、クランはこう切り出してきた。
そのあやしい奴等を調べて、集めた情報を知らせてほしいという。
驚く事にそれは、国からの正式な依頼だった。
まじかよ。
あたしはただの盗賊だぜ。
一体なんで、国から依頼される事になるんだよ。
クランはあたしを過大評価してるんじゃないか?
実際、今回は成すすべもなくがれきに埋まってたし。
シェフィだって、ちゃんと守れなかった。
でも、個人的に仇は取りたいって思ってる。
だってさ、くやしいじゃねぇか。
何考えてんのか分かんぇねやつに好き勝手にされるなんて。
「考える時間をくれ」
あたしはそういって、返答を保留にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます