03 グリンウッド城塞都市での出来事



 で、急いでエブ平原を歩いたかいはあった。


 数時間後、夜明けの門の解放とともに、目的地であったグリンウッド城塞都市へ入る事ができたからだ。


 さっそく情報屋を探して、ザーフィスの行方を調べる事にした。


 チャイは、空から探してるけど、どうやら見失ったみたいだし。


 グリンウッドに向かったって情報が本当なら、この町のどこかにいるはず。


 大穴で、町を迂回して周辺の森を通り抜けたって可能性もあるけど、あの森は危険な魔物がうようよいるんだから、まさかだよな?


 しかし、王子サマが裏町の存在を知ってるのは驚いた。「情報収集するんだよね?」って言って、当然のように治安の悪い方へ向かおうとするんだから、驚いちまったじゃねーか。


 あいつ、一体何者なんだよ。

 フットワーク軽いし、妙に剣の腕はたつし、最初見た時はあんなにへっぴり腰で頼りにならなさそうだったのに。


 だから、ぜんぜん王族っぽくねーよなって言ってやったら、ちょっと「まずったか」という顔された。


 変なやつ。


 そんなこんなで、ザーフィスの手がかりを探して、あやしい情報屋のオネエに絡まれたりしてたんだけど、その途中でとんでもないごたごたに巻き込まれることになった。


 何と、グリンウッド城塞都市が、魔物の群れに取り囲まれてしまったのだ。


 ザーフィスを追いかけるどころじゃなくなったため、仕方なしに身分を明かした王子サマと共に対策会議に乗り込んだ。


 かなり悩んだし、盗賊なんて職業してるけど。



 そしてそのまま流れに流されたあたしは、魔物の軍勢を何とかする策とやらに協力することになってしまった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る