　くっそ、あの野郎。

　ニヤニヤ笑いの王子サマにからかわれるのが、腹が立つ！

　正規の兵士に囲まれながら、行動するってのが居心地悪いのなんの。

　奴等に近づくなんて、捕まった時か捕まりそうになる時くらいしかねーと思ってたのに。

　愚痴はこれくらいにしておかないとな。

　ともかく、あたし達は、グリンウッド城塞都市の地下に潜る事になった。

　土モグラのような気持ちになりながら、黴臭くて埃くさい場所を進む事になったのがすげー嫌だったけど、我慢できないほどじゃない。

　陰気くさい雰囲気がするのその遺跡はイカヅチとか言うらしい。

　雷をつかさどる天使をまつる建物だとかなんとか。

　王子サマが得意げになって長々と説明してたけど、忘れちまったよ。

　で、長年稼働していなかったその遺跡の力を借りて、魔物たちを撃退する予定なんだけど、途中で魔物が出てきたのにビビった。

　住みついてたらしい。

　そういう事は先に教えてくれよ！

　でも、エブ平原を横断する時に慣れといてよかった。

　魔物との戦いは結構スムーズにいった。

　王子サマと連携がとれるようになったのは、癪だけどな！

　でそんなこんなで苦労しつつも、どうにか奥に到達。

　地下遺跡の力を借りる事に成功した。

　地下からじゃ、地上がどうなってんのか分からないんじゃねーか？

　なんて思ったけど、古代の技術ってやつはすげぇんだな。

　城塞都市とか、その周辺の映像がぱっと見れて、よかった。

　そんで地下遺跡と繋がっていた各地の砲台が軌道して、一斉放射。

　ゴォォッォ。

　ドカーン。

　という感じになった。

　魔物の軍勢を薙ぎ払っていったあの光景が本当なら、危機は去ったんだろうな。

　あたしが気にする事じゃねーけど、近所になんてとんでもねー兵器が眠ってんだ。

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