10 アメツチへ



 ザーフィスの目撃証言は、パセリの町の片隅で放置されているアメツチという遺跡に集中しているという。


 あたしはさっそくその遺跡へと向かった。


 情報通り、遺跡には誰かが行ききしている痕跡があった。

 内部の様子はやっぱり、ほこりっぽいし、じめっとしてる。


 魔物が入り込んでて、たまに戦闘になったけど、何とか突破。

 でも何何度か怪我しちまった。

 危ない魔物からは逃げるようにしたけど、足の速い奴もいたからな。


 魔術が使えるシェフィがいてくれれば楽だったんだろうけど、小さな女の子を危険な目にあわせたくない。


 それで入り組んだ構造の建物の中を、注意深く進んで行くと、奥に繋がる隠し通路を発見。


 アタシはその先へ、用心しながらさらに進んだ。


 そこで誰かの独り言が聞こえてきたので、様子を窺うと、ザーフィスの姿が見えた。


「〇〇さま、これで必要なものは全部そろいました。後はどうすればいいのでしょか」


 あいつは、どこかにいる雇い主と話してるようだった。

 部屋の中には、ザーフィスの姿しかないからそうなのだろう。


 奴には上の人間がいたのか。

 誰かに命令されて、秘宝を盗んだあいつは、遺跡に何の用があって来たんだ?


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