19

 目が覚めたとき、少女はどこにもいませんでした


 洞くつの中を駆けずり回って少女の姿を探しても


 もう、少女はどこにもいませんでした


 ミミックは、どうすることもできなくて


 ただ、ほの暗い洞くつの中で


 彼女が帰ってくる時を、じっと待ち続けていました


 そういえば彼女がなにかを言っていたような気もしましたが


 それが現実なのか、夢なのか


 はたまた、少女がいたことすら本当のことだったのか


 彼にはもう、それすら分かりませんでした


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る