4
ミミックはそのうち、ネズミを見るだけでは退屈を紛らわせなくなった
だからといって、彼自身、自分がどうしたいのか分からなかった
宝箱のフタを「ぱっかん、ぱっかん」と、鳴らしてみたが
ネズミが驚いて逃げていくだけなので
ミミックは、ますますどうしていいか分からなくなる
なんせ生まれてから、ずっと一人だったから
自分がなにを考えているのかすら、よく分からなかった
それで結局、彼がどうしたかというと
その、喰っちまったんだよな
ネズミを、片っ端から、残らず
なんでそんなことをしたのか、彼自身もよく分からなかった
とりあえず腹が膨れたので、ちょっといい気分になった
だけど次の日にはまた「ぱっかん、ぱっかん」と宝箱のフタを
開けては、閉じて
開けては、閉じて
その繰り返しで、一日が終わる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます