知性ではあらがえないのが宇宙の不条理

超高粘度の流体、ガラス的なもの? を最初に思い浮かべた。
惑星=彷徨うものというのは、Planetの語源がPlanetes(ΠΛΑΝΗΤΕΣ)に由来するということをアニメで知った者だが、それをそのまま惑星そのものの生態に置き換えた視点が面白い、宇宙SFもの。ロバート.J.ソウヤーのスタープレックスなんかを少し彷彿とさせる。
この話における惑星型生物は、明らかにその第4惑星に生まれた知的生命体のような知性を持ち合わせていないものの、彼が捕食行動に至った時点でウン十億が死滅するというスケールの大きな不条理が描かれていて、なかなかにわくわくする。母性を脱出した20万の命運やいかに。
行く当てのない宇宙船と、公転軌道を外れた第4惑星だったものたちの行く末が重なるラストが印象的。

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