第7話 少しの謎

「妖と同化して人を喰った…青丹初めて聞いたぞそんな事…」


「そうかァ?」


「人が恨みで鬼になる事もあるし……彼岸に近づき元となる赤舌と同調してひとつになる……か…面白いな」


緋彩がなにかボソリと呟く


「ヒーロなんか言ったか?」


「いや、なんでも……で、気付いたことがあったんじゃないのか?」


話の中で少しだけ違和感があった


「…オレも違和感があってなァ…あの後に考えたんだよォ……そうしたら」


一実は狐に化かされていたようだった


「狐?」


「おうよォ、あの村には悪戯好きの化け狐がいてなァ……よく 1人の男を見掛けると身近な女に化けていたらしい」


「あぁ、だからか」


「……??何がだからなんだ?」


緋彩は青丹を見てため息をつく


「女が言った言葉だ」


『な、何よあんた!一体…』


「あんな怪物見たら普通バケモノって言うだろ?」


「そ、そうか……同じ妖だから驚きはしても取り乱したりはしなかったのか!」


そして狐は一実にとって1番身近な女に化けていたようだ


「…それを考えたらよォ…恨みも何も消えていったさァ……。」


「赤舌可哀想…」


周りの妖怪が言う


「…で…オレたちの誤解はとけたかァ?」


…とけたって言わなきゃいけない雰囲気だな


「ああ、悪かったな。……なんだ青丹じろじろ見て」


「なんでも~」


ヒーロは色んなことを知っているんだろうな、青丹より年上だし


妖の事よく知っているようだったし……



ヒーロはなんでこの仕事をしようと思ったんだろう?

もっと稼げる仕事あるはずなのに……


ジジイもなんで青丹にしたんだ?あんな無理矢理な契約までして…


外に出られる嬉しさで考えていなかったがヒーロの妖にあった時の頭の回転と落ち着き…陰陽道と通づる何かを知っているのかな……?


うん、頭の足りない青丹じゃわからん…


「ところで緋彩だったかァ」


「……なんだ?」


……


「訳ありって言っていたがァ…何やらかしたんだァ?」


「あ、青丹も気になる!!」


緋彩は少し口篭り


「嫌いな奴を避けたいだけだ」


そう答えた


嘘はついていない…でも、何か隠しているのは青丹でもわかった

……いつか教えてくれるかな?


「青丹、京の都を案内してやるよ」


「本当か!?」


今はまぁ…いいか


______


一方、京…とある神社


「いってきます〜」


長い金色の髪をした少女が手を振る


「いってらっしゃいませ!」


白髪の男がぶんぶんと手を振り返し

少女は長い階段を降りて行く


「今日は少し遠い森に行ってみましょう!」

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