第17話 赤舌の言う通り

「きょう…りょく?」


さっきまで泣きじゃくっていたスズがきょとんとする


「まず、お前は俺たちをここから逃がす」


「にゃ、戻ってくるのか??!」


不安そうな顔をする…まあそうだよな


「いつになるかはわからないが…絶対に戻らなきゃなんねぇの俺たちは…!他の仲間に猫神にはバレないように伝えろ」


村人を猫神に喰わせるな、嘘の情報を伝えろってな


「あと…あれだ、戻る時のためにバレない入口とか教えろ」


「……わ、わかったにゃ」


……とりあえず、この村の内側に協力者が出来た…


ただ、どうやって猫神と渡り合うか…なんだよなぁ

見た限りかなり人を喰ってる奴だ

弱味とか無いのか……?



「……色々と調べたいが…急いで戻った方がいいな」


「そうだな!」



「じゃあ抜け道作るにゃ」



______



_______


「……ぜーはー…」


赤舌の山と猫神の村は近いような遠いような場所にある


山道は……やはり……堪えるな…


「ほんとに大丈夫なの?おじいちゃんなの、緋彩クン……」


「ヒーロおぶるか?」


「やめろぉ!情けをかけるな…!あと、少しぐらいは行ける……!」


なんやかんやしながら赤舌の元へ




「……早かったなァ怖気ずいちまったのかァ?」


その言葉に少しムッとする


「……村にいた猫と利害が一致した。他の猫も仲間になる可能性が高い」


「へぇ…で、猫神はどうだった…?」


どうって……


「崇められてたよ、村も赤舌が言ってた通りだった」


そうなるとひとつ疑問が残る


「なんで俺たちを行かせた?」


「何がだよォ」


「行く意味が無かった」


ほぼ赤舌の言う通りだったからだ


猫の存在は言われなかった、それにスズと協力関係を結べたのも良かった……が。


「4対1なら勝てるだろ」


そもそも妖なんだ、犬神や縊鬼を使えば呪い殺せそうだがな


「呪いなんかはやった…けどアタシたちじゃ無理なんだ」


「なぜ?」


「……神は人間にしか殺せない」


「は?」


「神同士で殺し合うこともあるよでも、妖には神は殺せない」


……じゃあ


「神にどうにかしてもらえばいいんじゃないのか?」


「僕神じゃないし…そもそも」


「こんなで神が動くわけ無いだろう……ただ、人間は動くだろう?」


人にとっては大きな事だ


「……殺そうにも武器も体力も何もないぞ」


「青丹は妖力でちっさい妖怪ネズミぐらいなら召喚でだせる!」


自信満々に胸をはる青丹


「それは役に立つのかな??」


「武器ならありますよ」


後ろから声…一本だたらの様だ


「武器…私の…妖の打った刀、つまりは妖刀です」


「……禍々しい気配がする」


「これを最悪1ヶ月以内に使いこなしてください緋彩殿」


……


「無理!!!」

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