第3話 知らなかったこと
「祓い屋~祓い屋だよー」
「安いし美味いぜ」
「お前聞こえてねぇからって関係ないこと言うな」
はあ……とため息をつきその辺に座る
人里から離れてしまったようだ
「どうしたヒーロ」
「全然仕事がない……」
「仕事がないとどうなる?」
「野宿になる…はあ、探すから…あっちいってろ」
「はいはい 今日の宿は外…青丹の野草を見る力が試される…!」
京から離れれば安い仕事はバンバン入ってくるかと思ったが……これじゃあ食いぶちも危うい
逆に京に戻った方が良いのか……?
「京に帰るにしても金が……」
「何かお困りかィお兄さん」
え、
ガサガサと草むらから誰か出てくる
「……な、んだお前」
黒い靄…に大きな口がありそこから長い舌が出ている明らかにヒトでは無いものから話しかけられる
「お、やっぱりこの状態のオレが見えるんだなァ?」
低い声のアヤカシに毛が逆立つ
反応した手前誤魔化しがきかない
「ああ……何か用か」
「緊張すんなよォ食ったりしねぇからよォ……あっちで草食ってる子供も呼ぶかァ?」
「……ああ、そうする」
……
「なんでェ妖見るのは初めてかァ?お嬢ちゃん」
「幽霊はあるけど……こんなに妖力が強いのかー」
あ!ほんとに霞みたいだ手が貫通する!!などとやっているが……
「……で?要件はなんだ」
「仕事をなァ頼もうと思ってなァ?」
仕事……妖が?
「報酬は?」
霞は少し考えるように口を閉じる
「…すぐに京に連れてってやるよォ」
「…………いや、それは困る」
「なんでェ?京に行きてぇんじゃねェのかァ?」
「訳ありなもんで…目立ちたくないんだ」
「……ほう、だから知らねぇのかァ」
知らない?
「何をだ?」
「仕事が見つからねェだろォ?」
「ああ」
それはなァ
「最近村や町を仕切ってる妖がいるんだよォ」
妖が……
「町を仕切ってるのか?!うそー」
「青丹静かに」
「む、」
霞は詳しく話す
「力の強い妖や人数が多い妖の派閥もある、村を取り合って自分の国を大きくしたいのさァ」
「……陰陽師達は何をやってる」
「……仕事放棄だ殆どは陰陽師から抜けてるらしいぜェ?」
なんだと?
奴ら何を考えてる……
「そんで、おま…あんたはなんの仕事を頼む気なんだ?」
「おっやる気になったかァ」
「早く京に行く用が出来たんでな」
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