第20話 な、なんじゃこりゃー

「なんじゃこりゃーー!!!」


「……なんだ?!」


青丹の叫び声に驚き見に行く


「どしたの青丹チャン…?」


「あわあわ…」


珍しく青丹の顔が歪んでいる……と言うか驚いている?


上着を着ていないので両手で指をさしている


「な、なに?指さして……」


青丹が指を指す方向へ目を向ける…すると


「……ゲホゲホ…なんだこれ投獄の次は拷問か?」


…晴れていく煙から現れたのは…


猫の耳と尻尾が生えた


「誰だお前……」


着物を着崩した大男…?


「は?俺様、大猫様だけど??」


大猫??


「あの猫神に捕まってる?」


「おぉ、なんで知ってんの?あ、まさか猫神を倒そうとしてるやつか!!?」


……青丹…コイツ……大猫召喚しやがった……


「どう?青丹凄い?」


「あぁ、凄すぎる位だ…」


大猫が仲間になれば猫たちは言うことを聞くはず……


「ねぇ、緋彩クン…」


こそこそと蓬が耳打ちをする


「まずいんじゃない?」


……なにが?


「大猫が無事って事はさ…他の猫たちが戦う理由が無いんじゃ…」


…………。


「……あっ」


確かに、弱っているとはいえ駄目じゃねぇか??


「あー…青丹」


「ん?どうしたヒーロ」


大変申し訳ないが


「元いた場所に返してきなさい」


「……え、」


しょぼんとする青丹


「まてまて!誰も手伝わないとは言ってないだろう!!?」


抗議する大猫


「そういえば青丹…猫そんなに好きじゃなかった…」


ここで青丹のどうでもいい発表


「……えっ…弱った俺様捨てんの?鬼か?」


「鬼は温羅か酒呑童子で間に合ってますんで〜」


「おいコラお前らぁ…」


半べそかきながら大猫は続ける


「情報出すって!あんたら猫神倒すんだろ?だったら猫神の弱み教えてやるよ!だから捨てないで!」


女に捨てられる男のような顔をしている…



それより、猫神の……



…弱み…?


「……詳しく聞こうか」


「……!おお!」

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緋色と青丹 鹿尾菜 ケイ @sikaona

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