第13話 伝言

「なんでこんな所に…」


「なんでって友達になったろ?」


どこでなった??


思わず頭を抱える


「ヒーロ?誰だコイツ」


その言葉を合図に男は名乗りをあげる


「オレの名前は牛鬼!!その名も牛鬼だぁぁ!!!」


その名もの意味ねぇじゃねぇか


「はあーーー…」


「お前の助け…邪魔してやろうと思って赤舌たちのところに身支度して行ったらどっか行ったとか言われるし……探したんだぞ?」


「よく見つけたなー」


「匂いでな!!」


……まてよ?


「お前って強いか?」


こいつが強ければ…そして良いように使えば…どうにかなるんじゃ…


「……ふっ、何言ってんだお前…決まってんだろ?」


……


「そんなに強くない…ぐすん」


「……帰れ」


「やだぁ〜〜!!……あっ!赤舌達から伝言預かってるんだぞ!!?」


伝言?


「んー、もうちょっと仕事を頼みたいんだがァ〜ってな」


……なんのつもりだ?


警戒して逃げた…とアイツらなら分かってるはずだが


「……ヒーロ?」


「うーん…死ぬ未来しかみえねぇ……」


喰われる未来が……


「よくわかんねーけど『こう言うの頼めるの今はお前らしかいないんだよなァ』って…あ、そうだ!オレの住んでた山が無くなるかもしれねーんだ!!」


…声でか…


赤舌と牛鬼のいる山が何故か無くなるかもしれない、陰陽師に近い祓い屋にしか頼めない仕事……


チラリと蓬を見る


「……ふぅん?手伝いならするよ?俺、今は優しーから」


今は……ねぇ?


「面倒なこと嫌いそうなのに…」


「……何その目…面倒事は結構ねー好きだよ、引っ掻き回すのとか」


最悪なやつだな


「おま、誰だお前はーーー!!!?」


蓬の存在に気づいてなかったのか!?


「青丹だーーー!!!」


お前じゃない!


「うるさーーーい!!!」


「いや、全員うるせぇ」




____





「……で、蓬…なんで女になってんだ?」


「女性しかいないと聞いて この格好の方がいいでしょ〜?」


まあ確かに…男がゾロゾロ行って 赤舌が何も思わなくても周りがな……


キラキラ〜


「な、女!?誰だお前はっ!?」


「…ふふふ」


「蓬だぞ」


ええ!?


「〜っおいヒーロ!青丹を盾にするなー!」


「あ、悪い…つい」


「おっ!着いたぞ!」



___


「さて……」


黒いもやが岩の上に座っている


「おォ来てくれたかよォ…」


…なんだ?少し


「元気ないな?」



「それについては僕が」


ぬっと獣耳の子どもが出てくる


「……えっとお前は……」


「犬神」


ああ、犬神か


「これは僕の問題なんだけど、赤舌はから…自分の事のように悩んでる」


「優しい…で?どんな問題だ 事によっては手助け出来ないとおも……」


言葉を最後まで紡ぐ前に睨まれる


「手助けしろ…お前らにも関係ある事だぞ」


……?


「…分かった…何をすればいい」


「殺して欲しい奴がいるんだ」

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