藤の香に誘われる、人とあやかしの切ない恋物語

枯れることなく年中花を咲かせる「鬼憑き」と呼ばれる、唐棣(はねず)家の庭に植えられた一本の藤。藤の下には緋色の目をした鬼がいると噂されていた。
(あらすじより、拝借)


和歌の世界のような空気が漂うこの物語は、唐棣の家の病弱な一人娘の薄紅と、彼女が密かに心慕うあやかしとの許されぬ恋を描くお話です。

言葉運び、心象描写が巧みで一話、一話は確かに短いのですが、この独特で和を感じる雰囲気に些かの過不足も感じることは無く、次へ次へと読み進めたくなります。

藤の香りに誘われた許されぬ恋の結末は、是非最後まで読んで確かめてみてください。

その他のおすすめレビュー

大宮 葉月さんの他のおすすめレビュー33