幻想的で美しい恋物語。儚く耽美な藤の香りに包まれ語られるのは、主人公・薄紅の激しい恋慕。短編のほんのひと時、酔いしれます。
『源氏物語』『平家物語』などの歴史・伝奇物を愛しつつ、『はてしない物語』『ハリーポッター』などのファンタジーが好き。作家読みというより、ジャンル読み派な雑食で…
名家の庭に咲き誇る見事な藤の花。 枯れる事なく花を咲かせ、その下には緋色の瞳をした鬼がいるとも。誰が言い出したか、いつしかその藤は「鬼憑き」と呼ばれるようになる。 臥せった身から、その藤に癒…続きを読む
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(429文字)
年中咲き誇る藤の花、白髪の鬼、夜ごと重ねられゆく密やかな逢瀬──耽美なモチーフが織りあげる幻想的な和風世界観に、虜にならずにはいられませんでした。良家の娘とあやかしの切ない恋路を綴った本作ですが、…続きを読む
静かな夜、濃紫の空気に柔らかに舞う藤の花弁が冷たく淡く流れてくる様が浮かびました。藤の木の下にボウと立ち出でる、美しい鬼。そのまなざしの緋に魅せられて、床に伏していた薄紅嬢はあれよあれよと生気…続きを読む
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