ニート候補生と謎の銀髪少女 二人で奏でる再世の音

CRS(チェスランキングシステム)ピアノ演奏が世界的なブームとなっている中、ピアノ演奏の腕をチェスの駒を用いて競い合う競技があった。
天才ピアニスト、音殺し(サウンド・キル)の異名を持つ早見優人は高校三年生の冬、突如CRSの世界から姿を消す……。

月日が立ち、アルバイトで生計を立てていたある日のこと。
彼の家の前に大きな箱が置いてありその中には……。
続きは是非、本編で。

音楽を文章で表現する……。文字で、です。
とあるニート候補生と育児放棄された銀髪の少女の出会いから始まるこの物語は、二人を結ぶピアノから生み出される音楽と共に紡がれて行きます。
それは時に優しく、時に愛しく、時に悲しく、時に切なく。

読み進めるほど、登場人物達の心の機微や動きはまるで一つの演奏のように色を変え、読者をその音色に乗せて次へ次へと誘います。

優人くんと白雪ちゃんの心温まるやりとりは、ネグレクトという社会問題を提起しながらも、それでも繋がる絆はあるんだ……と明るい未来を願わずにはいられません。

この作品を読み始めてから初めてクラシック音楽を購入しました。
優人君の十八番でもある、フランツ・リストの「死の舞踏」
是非、原曲を聞いてみてください。もっと彼らの音が肌で感じることが出来るようになるはず……です。

長くなりましたが、最後はやっぱりこの言葉で締めようと思います。

—————さぁ、物語をはじめよう!!

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