このひとこと紹介の言葉は、最後まで読み切った時に起こると思います。ネガティブだった主人公の心の変化……あまり語りますとネタバレの恐れもありますので、どうしてもの一言なら、読み進めているうちに、主人公を応援している自分がいる……そんな感じなのです。そして気付いたら、グイグイと引き込まれる世界観へ。是非ともお勧めです!
もう、青春です……! この一言に尽きます!リトルリーグ時代の経験から、負け慣れた主人公が迎えた、9回の表。絶体絶命の、バッターボックス。そこから先の流れは、文字を滑らせるスピードが自然と上がっていきます。それは、作中で高鳴っているであろう鼓動が、まるで移ったかの如く。最後はまさに、驚きと爽快感が、心の中を駆け抜けていきました。ぜひ一度、読んでみてくださいっ!!
小学校の頃リトルリーグでぶいぶい言わせていた主人公。アイツがはいってきて一変します。敗北。小学生で敗北を味わうのは人生の厳しさというもの。負けはつづき、一度も勝てなかった。いまは甲子園出場をかけた決勝戦。ピッチャーとして3点ビハインドの試合中、九回表味方の攻撃中に居眠りをしていました。おいっ。ツーアウトで主人公の打順がやってきます。仕掛けがあり、ピンチの緊張感があり、熱い闘志があり、逆転あり、ラストは真夏の太陽がカッと照る中、主人公がグラウンドへ飛び出してゆきます。余韻もよいものです。
甲子園で野球をする高校生の兄ちゃん達に憧れて、始めた野球。だけど、六年生に上がった時、状況は一転した。新しくチームに入ってきたアイツ。俺よりも速く、そしてコントロールのいい球を投げることができたアイツは、それまで不動のものだったエースの座を、あっさり奪っていってしまった。意外な展開もあります。夏にふさわしいストーリーをぜひ!
王道には王道の良さがある。そう思わせてくれる本作は、平成32年、夏の甲子園を目指すピッチャーのお話です。2点ビハインドで迎えた9回の攻防。今まで負け続けてきた主人公は、ツーアウトから打席に立ちます。その打席の結果は……?まさに「王道」を描き切った本作。短いながらもここまで「夏」を感じることができるのは、やはり作者さんの手腕が素晴らしいのですね。夏にはまだ遠いですが、先取りで「夏」を感じてみませんか?
リトルリーグのエースだった主人公。しかし小学校六年生のとき、新しくはいってきたチームメイトにあっさりその座を奪われてしまう。ライバルに負け続けた日々。やがて時は流れ、甲子園への切符をつかむための試合に挑む主人公だけど――。 ライバル、挫折、甲子園。負けることを知っている少年は、非常にたくましく成長しました。読後感がとても気持ちいい、青春ど真ん中の夏物語です。
主人公は子供の時から負け続けてきた少年。でも負け続ける事って、まず挑戦しないとできない事なんです。あきらめる事なく挑戦したからこそ負け続ける事ができたんです。そして少年はとってもあきらめの悪い人間になりました。それは間違いなく成長の証なんでしょう。ライバルとのその後も、お互いまだまだ成長していきそうな予感がします。とても気持ちのいい作品だと思いました。
高校野球をテーマにした、爽やかな夏の青春小説です。場面がリアルに浮かび上がってきて、読んでいてワクワクしました。また、心情描写も巧みで、さりげない会話に人物の心情がよく表れたりしています。よく練られた上質の文章です。。皆さんも、こちらの作品から青春時代の『夏』の熱気を感じてみませんか?
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