概要
荒野に咲く満開の百合を想って
女性同士の恋愛を扱った作品は百合と呼ばれます。
この百合論では百合という言葉そのものを哲学的に考察します。
始まりは一つのアナロジーでした。
哲学者ジョルジョ・アガンベンが提唱する主権権力により共同体から締め出しにあったホモ・サケルという形象を、旧約聖書におけるアダムから追放されたリリスと類推したエコフェミニスト・スザンヌ・クラクストンの論を参考に、百合とリリスを結びます。
この百合論では百合という言葉そのものを哲学的に考察します。
始まりは一つのアナロジーでした。
哲学者ジョルジョ・アガンベンが提唱する主権権力により共同体から締め出しにあったホモ・サケルという形象を、旧約聖書におけるアダムから追放されたリリスと類推したエコフェミニスト・スザンヌ・クラクストンの論を参考に、百合とリリスを結びます。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!夜のティックーン、リリスのまなざし
ジョルジュ・アガンベンの代表的な概念である〈ホモ・サケル〉から、手並み鮮やかに百合へ光を当てて御姿を浮かび上がらせてみせた、聖書からの示唆に富んだ美しい論考です。
百合の定義は?と問われて、歯切れよく答える事を躊躇する程度には難しい問題でしょう。そもそもジャンル、文化、イデオロギー、それぞれで文脈もまるで異なり、我々は盲人となって象を撫でるような事ばかりしか出来ていません。
その為、葎織さんが引用して下さった私の百合論では、パララックスな視座によって百合を紹介しようとしましたが、しかし葎織さんのこの論考は「リリス」という概念を用いて、軽快でスマートに百合という掴みどころのないものを…続きを読む