柊

　京都を本家に置く姫依家を筆頭に神条家、御子柴家は言霊師という言霊の力を操る一族。
　神条家に力を持たぬ男の子が生まれた。冬野と名付けられたその子は一族の中で劣等扱いされ、その中でも秀でた兄と比べられ育った。
　学業も運動も周りから見れば天才ともてはやされたが、一族にとっては言霊師としての力が重要視され、自分よりもすべていおいて秀でる兄に憧れを抱きつつも劣等感を抱いていく。
　一族は東京にある桜花大学付属の中等部への進学が絶対だった。　冬野は上京し、京都にある玉姫神社の分祀である東京の玉姫神社の屋敷にて、姫依家当主の姫依立花とその妹で冬野と同い年の姫依真白、兄の神条鏡花、御子柴家長女の御子柴四葉が先に上京していた。六花、四葉、六花は同級生であり、歴代最高の言霊師としての力を持っている。
　不…続きを読む