寛政捕物夜話（第八夜・四人心中）

初めに犬が死んだ。
次に、ひとが死んだ。
同じ仏滅の日の同じ時刻に、別々の場所で四人の男女が心中！
寛政江戸の不可能犯罪にお役者目明し浮多郎が挑む。

「東洲斎と洒落斎、ふたり合わせて写楽だぁー」
そんなふざけたことが言えるのは、東洲斎写楽の素性が不明だからです。
片割れの東洲斎は、抜刀術の達人でのんだくれ、枕絵師のニヒルな牢人・・・などと作者が勝手に妄想（暴走？）して「寛政捕物夜話」がはじまりました。
キリシタン大名の末裔で、お役者目明しと異名をとる美男の浮多郎とひょんなことから知り合った東洲斎は、次々と起こる寛政江戸の難事件に挑みます。
ーいわば、ミステリーそのものである「写楽」がミステリーに挑む趣向です。
拙著「寛政捕物夜話」シリーズ長編3部作「写楽な恋」「東洲斎江戸切絵図」「逆さ十字…続きを読む