「神の悪意」とは一体何か?

最初は、エキセントリックなタイトルかと思われるかも知れません。

だが、プロローグが終わり最初に綴られるのは牧歌的な田舎での生活です。
もちろんファンタジー世界なので、単純に鄙びている、というものでは無く、どちらかというと童話のような雰囲気を漂わせ始めます。

しかし、そのまま読み進めれば牧歌的な雰囲気はそのままに、文章の間から剣呑な雰囲気を漂わせ始めていることに気付くことになるでしょう。

そして世界の理をより深く知るであろうキャラクターほど、その危険に対して敏感で、牧歌的な雰囲気が真実ではないこと否が応でも理解していくことになります。

そして「神の悪意」についても語られることになります。

……ですが、本当にそれが真実でしょうか?

そんな得体の知れない「神の悪意」と向き合うマルコ。
そのさだめを――何と説明すれば良いのでしょうか。

その“関係性”にも作者の深謀が垣間見えるではありませんか。

外国のファンタジーにも似た、骨太の世界観。
お勧めです。

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