第63話 奥さんが欲しかったら
魔法飛行隊の三人をイミテが追い詰める…
「ヒィヒィヒィッ…今だったら三人共に
「うるさい!あんたなんかと一時間でも一緒にいると気がおかしくなっちゃうわよ…
あんたね、本当に奥さんが欲しいなら…もっと女が惚れるような男になったらどうなの…?
毎日少しずつでもいいから相手に気持ちが伝わるように優しくすること…それで愛する気持ちが生まれていくのよ…女心を理解しないといつまで経ってもあなたの恋人は召喚獣だけよ…」
「う、うるさい…プラティナ…ボクちゃんはお前の事はほぼ、諦めてるんだよ…他の二人だけでもボクちゃんの嫁に…」
ナギはため息をついた…「あの…イミテさん…
そんな誰でも良いなんて言い方はやめた方がいいですよ…
奥さんが欲しかったら本当にその人が辛い時に何も出来なくても良いから一緒にいてあげてください…
そして見守ってあげる事…それが一番ですよ…」
「ぬぬぬぬ…ミラール王女…頭の良いお前ならボクちゃんの価値が解るだろう?」
「そうね…」 アイはニコリと笑いかけた…
イミテもアイに向かって笑顔でウインクをした…
「もうそろそろ女の尻を追いかけるのをやめて
どうしたら自分に向いてくれるのか考えたほうが良いと思うわ…そうしないといつまで経ってもあなたの評価は最低よ!」
「ぬぬぬぬ…」
「あっ!ちなみにあなたの未来は未来眼でも解らないわ?何故かしらね…?」
「それはな!お前達がここで石にされて未来は無くなるからだよ…ハッハッハッ…」
全速力の魔法のほうきだったが本気になったコッカトリス・ゾンビに余裕で背後にピッタリとつけられてしまった。
「アハハハハ…さあ…三人を石に変えてしまえ…」
プラティナ達三人は目で合図し合った。
「今よ…それっ…!」
コッカトリス・ゾンビの赤い目が光った瞬間…
「クロノ!」「ミナイ!」「アクセル!」
優也は三つの呪文を続けて唱えた…
優也の止めた世界をプラティナ達三人はそのまま飛び去った…
代わりにその場に優也の乗った魔法のじゅうたんが現れた。
「ダーリン!」
「優也さん…」
「優也くん…」
「ありがとう!!」
振り返る三人に向かって優也は親指を立てて応えた…
そしてコッカトリス・ゾンビの目から今にも放たれようとしている石化の光線を左腕の鏡の盾で受け止められるように構えて魔法を解く…
パァッ…
コッカトリス・ゾンビの石化光線の閃光が一瞬光った後、魔法のじゅうたんとコッカトリス・ゾンビは凄いスピードですれ違う…
ゴトッ…
空中庭園のある神殿の程近い丘陵に空から何かが降ってきた…
ホーリーを放ち続けていたヴァルプルギスもバジリスクと闘っていたレーヴァやロジャーもほうきに乗ったプラティナ達もシルヴァと一緒に隠れているミスやリルも…
その空から降ってきた物体を見つめていた…
空に浮かんだじゅうたんから優也もその物体をジッと見つめる…
…その物体は、鏡に反射した石化光線を浴びてしまったイミテだった。
石像になってしまった彼は丘陵の芝生の上に横たわる様に落ちた後、風に吹かれて静かに佇んでいた…
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