第26話 玉座の女性
ジーナが僕達を連れてきたのはあの遠くから見ていた周りを木々に囲まれたバビロナの中央のシンボル的巨大建造物…バビロナ大神殿だった。
「皆さん…足元に気ぃつけてください…」
…ジーナはあれからずっと浮かない表情を浮かべているように見える…
あんなに逢いたくて命がけで海を渡った…それなのにお姉さんとの再会を目前にして気持ちが高揚しているようにはとても見えない…
ティナもナギさんも愛ちゃんも僕と同じような違和感を感じているようだ…
神殿の中に入った僕達の前に現れたのは石造りのダンジョン…
「こちらですわ…」
通路からとてつもない大広間に出た僕達は辺りを見渡した。
…ピーンと張りつめた空気と静寂の向こう側に確かに存在感のあるオーラを感じる…
ジーナに続いて大広間を奥に歩みを進めた…
ようやく玉座の間に辿り着いた僕達は鎮座している女性の影を確認する事が出来た。
「姉ちゃん…皆さんをお連れしました…」
「ジーナ…お帰りなさい…皆様…数々の非礼をお許しください…」
突然玉座の周りの篝火に魔法で火が灯されると辺りは急に明るくなり玉座の女性の表情が
「あっ!」
「あっ!」
僕は玉座の女性…ジーナのお姉さんの姿に思わず仰天の声を上げた。
勿論、ティナもナギさんも愛ちゃんも口に手を当てたり、目を大きく開けたりして驚きを隠せないでいた…
その女性はジーナと瓜二つだった…ジーナが二人…こんな事って…あっ…あれれ…?
なるほど…さっきは急に明るくなったから目がまだ慣れていなかった事もあって二人は見間違う位そっくりに見えたが…
ジーナのお姉さんをよく見てみると…ジーナも十分に女性らしい色気に満ち溢れていて普通の男性ならこんな女性と一緒にいたら目のやり場に困るのだがこのお姉さんときたら幼さが面影に少し残る可愛いジーナを逆に大人っぽくした妖艶な色気というのだろうか…
スタイルも抜群で恐らくはティナやナギさんや愛ちゃんに勝るとも劣らないスリーサイズ…
ああっ!誰よりも愛すべき妻が横にいるのに何を考えているんだ!僕は…
何よりジーナと違うのは…長くて美しい緑の黒髪…綺麗な
彼女の美しさに僕達は呆気に取られていた…
ジーナの姉…美しい黒髪の女性も優也を一目見て驚きの声を上げた。大きく見開いたフォレスト・グリーンの瞳で優也の顔をまじまじと見つめる…
「シャブリヤール様…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます