第54話 闇の力と光の力
ジーニャはイミテに並んで空中庭園から優也やジーナのいる場所を見下ろした。
「ディレイザ…!」
彼女は両手を広げて闇の死者蘇生魔法を唱えた…
徐々に空中庭園の上空に黒い雲が集まり、美しく長い髪が強い風に
ロジャー、それにレーヴァ達…ソーディア軍が斬ったバジリスク達は紫の煙を放ちながらまるで底なし沼に落ちていくように地面に吸い込まれていった…
「な、なんだ…?一体何が?」
「ギャアァァァァ!」
ロジャーやレーヴァは振り返って叫び声のした方に目を向けた。
兵士の一人にバジリスクが噛みつき…優也が陥った猛毒の呪いを牙から体内に運んでいた…
顔面は土気色になり、うなされながら苦しむ兵士…
しかもそのバジリスクは今まで彼らが闘っていたそれとは違っていた。
その様子をジーニャの横で見ていたイミテがニヤリと笑う…
「なるほど…
様々な個体に共通していると言えば、先程闘った時とは比べ物にならない位の獰猛さになっている…
辺りには我慢出来なくなるような腐臭と毒の臭いが混ざり合う…
「ウワァァァァァァ!」
「アァァァァァァァ!」
兵士達の叫び声はだんだんと多くなってくる…
空中庭園に向かいかけた優也達だったが、目の前の惨事に引き返さざるを得なかった…
「くそっ!ヴァル…」
「分かっておる…仕方ないのう!」
ヴァルプルギスは胸の前で祈るように両手を組んだ…すると空から無数の羽根が舞い落ちる…
「ヴァルプルガモード!」
綺麗な長い髪に白い花のコラージュ…そこから広がるヴェールにまるで霞草が散りばめられたような装飾の一つ一つが夜空の星のように美しく輝く…
誰もが彼女の美しい
ヴァルプルギスがブーケを
彼女が放ったホーリーの魔法は全ての闇の力を浄化する…
「シュウゥゥゥゥゥ…」
毒に蝕まれ…のたうち回っていた兵士の身体から紫の煙が抜けていく…彼らは何事も無かったように立ち上がった…
「あれ…?俺は一体…?」
そしてゾンビと化していたバジリスクは…
「グッ…ガッ…ギギ…」
苦しそうなうめき声を上げてまるで蒸発するように煙となって消えていく…
そして光のレガシーは闇のレガシーの使い手にも影響を与える…
ビリビリッ!
「うっ…!」ジーニャの
「こ、これは…ホーリー…私の他にレガシーを使いこなす魔法使いがおるとは…」
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