応援コメント

すべてのエピソードへの応援コメント

  • 最後の竜騎士(六・終)への応援コメント

    テオちゃんが幸せそうで何よりのラスト!時間を掛けて読ませて頂きました。下駄履きのお話も氷河に着陸する話も、全て大変素晴らしかったです。
    Ⅱも引き続き楽しみにしております!

  • 素晴らしい話でした。
    この素晴らしさと特筆すべき良点は、既に先人たる偉大な読者様が、書き記されているので私はあえてココに言及させていただきます。

    テオさん、まさかのボクっ娘(大口径モーターカノンの薄殻榴弾による直撃を受けたような衝撃)

  • 「どんな理由であれ人を殺すことが罪だというなら、それはあなたとサラマンドラではなく、助けられた僕たちが背負わなければならない罪です。どうか自分の手が汚れているなどとは思わないでください」

    めちゃめちゃ良い言葉をおっしゃりますねレオさん。

    この話は、とても大事な出会いだったのだと感じます。

    作者からの返信

    防衛太郎さん、応援コメントありがとうございます!
    今回はユーリの過去編、戦時中のエピソードをお送りしております。
    当時からエースパイロットとして名を馳せていたユーリ(ユリアン)ですが、彼もまた生身の人間なので、戦いの中で自分のやっていることに疑念を抱くこともあったんですね。すでに大勢の決した負け戦ということもあり、敵機を撃墜するたびに罪悪感と強い虚無感に襲われていたのです。
    大竜公レオポルトの言葉はそんなユーリにとって救いというか、決して無益な殺生ではないと思わせてくれたことで、過酷な戦いによって壊れかけていた彼の心をどうにか終戦までつなぎとめてくれたのだろうなと思います。
    航空郵便社を始めたのもレオとのなにげない会話がきっかけなので、ユーリにとってはまさしく人生の指針を与えてくれた人物でもあります。

  • 過去のお話ですね。楽しみ!!

  • 最後の竜騎士(六・終)への応援コメント

     強制排熱装置のボタンを押してからの描写が臨場感あふれてて、とても好きでした。乗っている気分になったり、地上から頭上を飛び抜けていく機体を呆然と眺めている気分になったり、最高のドッグファイトを最高の筆力で観戦させていただきました。途中でファーストガンダムの名台詞「俺を踏み台にしたぁ」を思い出して……笑。
     呼んでいる途中で、これで終わってしまうのか――と読むのが惜しくなってしまいましたが、良かったⅡがある~~! ほっとしました。
     

    作者からの返信

    不二原光菓さん、サラマンドラ航空郵便社を最後までご覧いただきありがとうございます!
    最終話はユーリが過去の因縁にケリをつけるお話ということで、かつての上官であるシュローダー大佐との死闘をお送りいたしました。
    みずからの意志で戦いの場から降りたユーリに対して、大戦が終わったいまも戦いに取り憑かれているシュローダー大佐は鏡写しの存在というか、「ユーリのありえたかもしれないもうひとつの未来」なんですね。大佐としては自分と同じ側に来るように願っていたのですが、ユーリは一方的に撃たれても自分の信念を貫いたかたちです。
    そして着陸脚で踏みつけるのはリアリティとしてはだいぶ微妙(強度的に……)なラインではあるのですが、サラマンドラは海軍機と同一仕様という設定がここに来て活きたなぁとお思いいただければさいわいです。空母への荒っぽい着艦に耐えられるくらいの強度は元々あるということで……。汗
    サラマンドラⅠ・Ⅱともにご高覧を賜り、作者冥利に尽きる思いでございます。本当にありがとうございました!

  •  じんわりと心に染み入る読後感でした。戦争する勇気、それを終結させる勇気。
     最初は暗君のお祖父さんだと思っていたレオポルトⅢ世が、こんなに気高い名君であったとは。歴史に埋もれた悲劇の人ですが、少数でも知ってくれている人が居るというのが救いです。そのうち後世の歴史家によって真実が明かされることを祈っています。
     そして、テオ~~!

  • 凍てついた墓標(四・終)への応援コメント

    「永久に溶けることのない氷の奥底で、花嫁衣装を懐に抱いて凍りついた異形の偵察機」この一文にがっつり痺れました。悲しみさえ通り越した、極限の美しさ――このような情景に連れてきていただき、感謝です!
     どの話もロマンチックでカッコ良くて素敵なのですが、中でも幻想的な美しさの際立つ一編だと思いました。

  •  アヒルと揶揄された水上機乗りが花形戦闘機をも凌駕する働きを見せる本作は、泣きそうになるくらいしみじみと感動的で、飛行機乗りのプライドとロマンを満喫できました。
     危機を乗り越える方法に唸らされ、尚且つ人間ドラマを堪能できました!

  •  ケルベロスとの対戦、脳裏に浮かぶ画像といつの間にか頭に入っている状況説明で臨場感満点でした。
     サラマンドラは武器を持たないという設定で、殺生はもうしないというところに飛行機乗りの美学を感じたのですが、情報は売ってしまうんですね。維持にはお金がかかるので仕方ないかとは思いますが、この情報を売ることで本来死ななくて済んだ者が死ぬかもしれないと思うとちょっと複雑です。ラウラに払ってもらっても良かった?(情報を売られても仕方ないような盗賊集団なら、拍手ーーだったのですが)

    作者からの返信


    不二原光菓さん、応援コメントありがとうございます!
    お褒めにあずかり作者として大変光栄です!
    今回の話は「軍に情報を売って代金代わりにする」というオチでしたが、本文中でも触れたようにガリアルダ軍はかなり強固な対空陣地を構築しているということもあり、ただ「行って見てきた」というだけでも相当な価値があるんですね。(なにしろ人工衛星も高高度ジェット偵察機もない時代ですので……)
    一方でガリアルダ人民戦線は周辺諸国と戦争しているわけでもないので、貴重な飛行機とパイロットを犠牲にしてまで”戦争しているわけではない仮想敵国”を偵察するのはリスクが大きすぎることから、ユーリの提供した情報にはよろこんで飛びついたことでしょう。ユーリもさすがに戦争中の国だったらそのあたりを考慮して軍には渡していなかったと思いますので……。
    ラウラはこのあと画家として出世したと思いますので、絵を描いてもらうことがある意味出世払いの代わりだったのかもしれませんね。

  • 火竜の舞う空(三・終)への応援コメント

     うわー、最高にカッコ良かった。中だるみの「な」の字も無かった。
    「まさか、本物の竜騎士ドラッフェンリッター――――」このベルンカンプの台詞の入りどころがまた絶妙。
     そして、声だけの登場のサラマンドラの操縦士、もう、これだけでカッコ良いってわかる!!!
    「竜の血」で格段に上がった飛行能力を持つサラマンドラ。それを余すところなく使いこなす操縦者。そして終戦後、彼らが挑むのは――。
     ふぁああああ~~。(感嘆)
     今まで読んだことが無いような航空浪漫に打ち震えています。

    作者からの返信

    不二原光菓さん、応援コメントありがとうございます!
    身に余るお褒めの言葉を頂戴し、作者として大変ありがたく、また光栄に存じます!
    サラマンドラ航空郵便社のプロローグ、タイトルに反して敵側視点でお送りしました。
    個人的に「怪獣映画スタイル」と呼んでいるのですが、ゴ◯ラを映すときには彼らの敵である防衛軍の戦車や戦闘機の視点から描いたほうが「とんでもないものが現れた!」感じが出ると思っておりまして。そういう意味では今回のエピソードにおけるサラマンドラも一種の”怪獣”であると言えるかもしれませんね。
    パイロットは通信機越しの声だけで顔は見せなかったのも、やはりそのあたりの効果を狙った演出でございます。奏功していると感じていただけたならなによりの喜びです!


  • 編集済

    火竜の舞う空(二)への応援コメント

     機密保持のため終戦時に処分された伝説の無敗機――、もうこれだけでも胸熱の設定なのに、血気盛んなリザード乗りとそれをいなすように悠然と飛ぶサラマンドラの対比が鮮やかに描かれていて、読むのが止りません。
     2機の追いかけっこが巧みに描かれていて、吸い込まれるように降下していく姿が目に見えるようです。ワクワクが止りません。
     まるで谷甲州氏の航空宇宙軍史を初めて読んだときの感覚。興奮、大興奮です!!!

    作者からの返信

    サラマンドラとリザードの対比は作者としても意識した部分なので、そこに注目していただけて大変うれしく存じます!
    重戦闘機であるサラマンドラと軽戦闘機のリザードでは得意とする速度域も高度も違うのですが、だからこそ本来同じ舞台に上がるはずのない二機がギリギリのところで競い合うロマンが生まれるかなぁと。レシプロ機のドッグファイト描写はジェット戦闘機とはまた違う泥臭さがあり、個人的にはそこが魅力的なポイントだと思っているので、お気に召していただけたならなによりでございます!
    航空宇宙軍史は私も好きです!谷甲州先生と比べられると恐縮の至りではありますが、今後のエピソードもぜひぜひお楽しみいただければさいわいです!

  • 火竜の舞う空(一)への応援コメント

     最初のこの部分を読んだだけですんなりこの世界の現時点での状況や、リザードの立ち位置や採用理由が頭に入ってきました。コックピットに居るような臨場感がたまりません。そして、機体の描写が胸が痛くなるほど美しい。
     特に戦闘は無いのに、無性に引きつけられる。
     すごい……としか言いようのないオープニングでした。

    作者からの返信

    不二原光菓さん、はじめまして!
    このたびは拙作『サラマンドラ航空郵便社』をご高覧いただきまことにありがとうございます。m(_ _)m
    いきなり私事で恐縮ではあるのですが、私は子どものころから飛行機が好きで、大人になった今でも本を読んだり模型を作ったりしていたんですね。そうするうちに飛行機とその物語を小説という形で描いてみたいという思いがどうにも抑えきれなくなり、この作品を執筆した次第でございます。
    登場する国家や機体はすべて架空のものですが、架空だからこそディティールをおろそかに出来ないという思いから、ややもするとマニアックな描写も多かったかと存じます。そのあたりも含めてお楽しみいただけたなら、作者として大変光栄に存じます!


  • 編集済

    凍てついた墓標(四・終)への応援コメント

    おべっかではなく、ラストを読んだ時本当に鳥肌
    が立ちました……。
    前章に続き、本当に1話1話が素晴らしいです。

    エンジンの始動に力を貸したのは……きっと、そうそうなんでしょう……

    作者からの返信

    防衛太郎さん、第三話を最後までご覧いただきありがとうございました!
    今回は幽霊話ということでちょっと毛色が違うエピソードをお送りしました。
    私の敬愛する松本零士先生の戦場まんがシリーズにも時折ファンタジー風な話があり、今回は私なりにそういったテイストの再現を目指してみたつもりです。ご堪能いただけたなら作者としてなによりの光栄に存じます。
    サラマンドラのエンジン再始動についてですが、おなじ飛行機乗り同士、たとえ肉体は滅んでも……ということなのかもしれません。一方でただの偶然かもしれず、真実は氷雪のなかに眠っているのだろうと思います。


  • 編集済

    凍てついた墓標(二)への応援コメント

    生きてる……?


  • 編集済

    凍てついた墓標(一)への応援コメント

    めちゃめちゃ引き込まれる…

    遠いところ、か……

    作者からの返信

    防衛太郎さん、第三話もご高覧いただきありがとうございます!
    メカ&フライトアクションに特化した前二話に較べると今回はだいぶ幻想的なお話になりますが、お楽しみいただけたならなによりでございます!

  • ゴルドン軍曹、生きてるだろうなぁ。

    海上投下した血清を島に届けた(島までたどり着いた)のが確認できているのなら、彼はそのまま島に残って嵐をやり過ごし、またどこかに飛び立ったか、別の方法で島を離れたか。

    きっと、こうだったに違いない、と読み手に考える余地と余韻を残す素晴らしい話でした。ゴルドン氏に敬礼。

    作者からの返信

    防衛太郎さん、第二話を最後までご高覧いただきありがとうございました!
    ゴルドン軍曹の生死はぼかしたまま終劇となりましたが、そのあたりは読者の皆様の解釈に委ねたいと思います。陸上機や艦載機は海への墜落=沈没ですが、いざというときは翼とエンジンつきの船にもなる水上機なら生存の可能性もゼロではない……とお思いいただければさいわいです。逞しい彼のことですから、どこかの無人島に漂着して元気にやっているかもしれません。
    今回のエピソードでは個人的に好きな水上機を思う存分描くことが出来て作者としても満足でした。プロローグ・第一話に続いてお楽しみいただけたならなによりの光栄です!

  • アヒルたちの栄冠(三)への応援コメント

    北半球と南半球で渦の巻く方向が変わることも描かれてて、抜かりのない面白さに唸りますね!

    ヘタに乱流に逆らわない方が良い、とはさすがベテラン。

    ……ってか戦果すげェ!
    空母艦載機部隊の連中が聞いたら青勲章のように真っ青な顔をするぜ。

    さて、この状況、このコンビで降りれる場所と言えば……

    作者からの返信

    応援コメントありがとうございます!
    細かいポイントに気づいていただけて作者として大変嬉しく存じます!
    水上機でこれだけの戦果を挙げたということで、本来なら勲章と少尉進級くらいの待遇はあって然るべきなのですが、旧弊は如何ともしがたかった……ということで。
    大竜公国が優秀な兵器を開発しながら戦争に負けたのも、組織や社会が硬直しきっていたという部分が大きいのかもしれませんね。

  • アヒルたちの栄冠(二)への応援コメント

    花形である海軍航空隊、空母艦載機部隊との対比を上手く描かれてて面白かったです。

    零式観測機を彷彿させるシードラゴンですね。

    下駄履き、いいですよね。

    南方戦線の諸島の制空権、哨戒、輸送、観測(偵察)まで幅広い任務を粘り強く行ってきたのは、彼ら水上機ですからね。

    作者からの返信

    水上機のよさをご理解いただけて感動です!ううっ!
    劇中では空母艦載機より格下の存在として蔑まれる水上機(とその搭乗員)ですが、旧日本海軍ではおっしゃるとおり南方作戦を支えた縁の下の力持ち的存在ですね。スマートな二式水戦、あるいは晴嵐や強風のような行き着くところまで行った機体もいいですが、零観や九八式水偵のシブさも捨てがたい……。(長くなるのでここまで)
    大竜公国でも水上機部隊は偵察や観測、対潜哨戒などさまざまな任務に投入されていたのですが、海軍中枢が空母機動艦隊を重視する方針を採っていたこともあり、あくまで補助戦力として扱われていたんですね。戦時中から不遇をかこってきた水上機部隊ですが、ゲタ履きの低速機で大戦を生き延びたパイロットはなかなかの強者が揃っております。今回登場のゴルドンもそんな古強者の一人であり、サラマンドラ乗りのユーリにも物怖じすることなく接しているのは、ベテランとして互いに相通ずるものを感じていたのかもしれません。

  • アヒルたちの栄冠(一)への応援コメント

    面白かったです。サラマンドラって空軍機だったんですね。

    翼が畳める=海軍機とばかり思ってました。

    作者からの返信

    防衛太郎さん、応援コメントありがとうございます!
    コメントへの返信が大変遅くなってしまったことをお詫びさせていただきます。m(_ _)m
    第二話、お楽しみいただけたならなによりでございます!
    翼が折り畳める空軍機というと飛行機に詳しい方は「おや?」と思われますよね。サラマンドラはもともと空軍と海軍で主力戦闘機を共通化しようという計画から生まれた機体なんですね。結局コスト高騰や運用方針の違いなどから海軍は離脱してしまうのですが、翼の折り畳み機構や太い着陸脚といった海軍機のメカニズムは空軍型にもそのまま流用されています。レシプロとジェット戦闘機の違いはありますが、F-4ファントムⅡはもともと海軍機として開発されたため、空軍(航空自衛隊も)に採用された型でも空母運用のための装備がかなり残っているという話が元ネタですね。
    陸上運用で使わないメカニズムは重量増加を招くだけであまりメリットはないのですが、サラマンドラの場合はそのあたりもふくめて物語のギミックに取り入れておりますので、どうかご期待いただければと思います!

  • 空戦から地勢情勢、そして着陸シーン、PDW武器を持ち出して何をするのかと思いきや「脅されたと言え」という配慮まで、大変素晴らしかったです。

    粋なサービスと心遣い、そしてやはりあの空撮データはそうした用途にしたんですね。

    手紙を咥えたドラゴンの絵、につながるラスト、素晴らしかったです。

    作者からの返信

    防衛太郎さん、第一話をご高覧いただきありがとうございました!
    プロローグは敵の目から見たサラマンドラの描写という、いわば怪獣映画的な搦め手だったこともあり、今回は『サラマンドラ航空郵便社』というタイトルに相応しい内容をお送りいたしました。ユーリとテオ、そしてサラマンドラの二人と一機が織りなすドラマの第一歩、お楽しみいただけたならなによりの光栄に存じます。
    そして作中世界では現実と同じように偵察衛星も高高度ジェット偵察機もまだ実用化されていないので、敵国の兵器の配備状況や地勢を偵察するためにかかるコストとリスクはとんでもなく高いものでありました。そのあたりも計算して、取れるところから金を引っ張ってくる算段をしっかりつけて少女の依頼を受けるあたり、ユーリなりの優しさと(航空機の運用にかかるコスト諸々を含めた)シビアな現実主義のバランスを感じ取っていただけたなら幸いです!
    手紙をくわえたドラゴンを背に、サラマンドラの物語はまだまだ続いてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます!

  • 少女画家と戦闘機(五)への応援コメント

    ケルベロス、ボーファイターみたいな感じなんでしょうね。

    サラマンドラ、戦闘機だった時代ですら凄まじい機動と剛性を持ってそうなのに、しかも今は「非武装」ですからね。相当な機動力があるでしょうね・・・・・。

    作者からの返信

    ケルベロス、ボーファイターはかなり作者の脳内イメージに近いですね。
    機首まわりにモスキートの要素も多少混じった感じの外見を想像していただければそのものです。(ケルベロスも軽量化のために一部木製+羽布張りの構造なので)
    戦時中は偵察型や対艦攻撃型といったバリエーションが豊富に作られた機体で、戦後もガリアルダ人民戦線の迎撃機として運用されているあたりなかなかよく出来た万能機ではあります。
    多芸な一方、単発戦闘機とのドッグファイトでは圧倒的に分が悪いのも双発重戦闘機の宿命……ということで、サラマンドラ相手にはあえなく敗退を喫してしまいました。「武器を使わずに撃墜する」というスタイルは今後もユーリとサラマンドラの基本戦術になってまいりますので、そのあたりにもご注目いただければ幸いです!

  • 少女画家と戦闘機(四)への応援コメント

    ラバウル航空隊のベテランも真っ青な往復2400kmの旅が始まりましたね。
    ゼロ戦21型も近しい航続距離をもっていたようですが、機体性能と人間の耐久力は必ずしも一致しない……つまり「長く飛べる性能があっても、そこに人間が耐えられるかどうかは考慮されていない」というパイロットの本音を読んだことがありますが「確かに…」と呻きましたw
    硫黄島から飛び立つB29の長距離護衛を行ったP51も、本当に長距離を往復して大変だったんだろなと、御作の片道「1200km」を見て回想してしまいました(内容と関係なくてすみません)

    ユーリさんならきっとやりきるでしょう。それにしても、離陸シーンいいですね。燃料タンクを主翼から使っていく細やかな所も実に良いです。ところで、今回の依頼では増槽積んでるんでしょうか?

    作者からの返信

    往復2400km、おっしゃるとおり当時の飛行機が飛ぶ距離としてはかなりヘビーな行程です。
    サラマンドラの外見はドイツ軍の戦闘機(具体的にはBf109G以降やTa-152)がモチーフではあるのですが、現実のドイツ軍機には増槽を使っても2000km飛べる機体は存在しないのでなおさら……。(このあたり各国の用兵思想との絡みもあるので、単純に良い悪いという問題ではないのは承知しています)
    液冷で長距離を飛べた機体というと、南方の洋上で戦った陸軍の三式戦や、挙げられている渡洋爆撃のエスコート・ファイターを務めたP-51Dなどもあるので、サラマンドラはそういった機体のエッセンスも取り込んでいるとお思いいただければ!
    長距離飛行によるパイロットの疲労、まえに百式司令部偵察機や彩雲の搭乗員のルポを読んで「これはキツイ!」と思いましたね。往時の苦労が偲ばれます……。
    離陸シーン、書いてる時はちょっと描写がしつこすぎたかな?と心配していたのですが、お楽しみいただけてなによりの光栄です!
    (被弾しやすい)翼の燃料から使うというのは戦時中のパイロットの手記にあった記述を参考にしています。
    そして増槽は往路用に一本吊っているはず……。彼らの経済事情から考えて、戦時中末期にあった木製タンクに油紙を巻いたローコストなものではないかなと思います。(捨てても懐が傷まない……)

  • 少女画家と戦闘機(三)への応援コメント

    基地には二人ですからね。整備、航空管制、滑走路の異物点検。燃料調達や火竜のプラグ、部品などの調達。
    これはカネがかかる……。

    しかも、空輸して空からポイ、ではなく着陸して受け取りサインまでもらってくるっぽいですね。

    これはすごい仕事だ・・・・。

    作者からの返信

    飛行場としてはかなり小さめというか、だいたいWW2当時の野戦(前線)飛行場くらいのスケールではあるのですが、二人で維持するのはかなり大変だと思いますね……。このあたりの設定は作者としても悩みどころでした。
    ジェットでは成り立たないけれどレシプロ機ならもしかしたら……という微妙なバランスを感じていただければ幸いです!(某アドリア海の飛行艇乗りの御仁を思い浮かべつつ)

  • 少女画家と戦闘機(二)への応援コメント

    あら、パイロットはこっちだったんですね。

    >それ以外のものなら、どんな場所だろうと届けてみせる。正規の業者が嫌がる仕事をやるのが俺たちだからな

    かっけぇ。

    大戦中の最強クラス兵器を使って、銃後に配達業務に転用。しかも非合法。されど大義は守る。もうカッコイイの全部載せ丼じゃないですか・・・・・。

    作者からの返信

    お褒めにあずかり大変光栄です!
    今回はようやく主人公ユーリの姿かたちが描写されました。
    彼が非合法の運び屋になるまでの来歴、そして最強の戦闘機サラマンドラが武装を外している理由など、今後の物語でじょじょに明かされてまいりますので、そのあたりもご注目いただければと思います!

  • 少女画家と戦闘機(一)への応援コメント

    えっ!この好青年があのドラゴンライダー?!

    作者からの返信

    防衛太郎さん、応援コメントありがとうございます!
    お返事が遅くなって申し訳ございません。m(_ _)m
    サラマンドラ、プロローグから本編突入ということで、キャラが一気に登場してまいりました。(今更ですがミスリードっぽくなってしまってスミマセン)

  • 火竜の舞う空(三・終)への応援コメント

    ぴえー!めちゃめちゃ面白かった……ワイヤーが伸びて切れかかってるから操縦桿の利きが悪くなってるとか、すごく良かったです。なんてパイロットと機体だ……こりゃ勝てないわ……


  • 編集済

    火竜の舞う空(二)への応援コメント

    細やかで鮮やかな描写とリアリティある航空機挙動が堪りませんね。戦役を経た航空機が郵便を運ぶ話かと思いきや、とんでもない空戦物語で興奮。水メタや高高度性能に関しての話もめちゃおもろい

    サラマンドラが左に捻って背面降下に移ったのは、プロペラが右回りで反トルクを利用して素早くロールしたのかも。

    作者からの返信

    防衛太郎さん、応援コメントありがとうございます!
    メカ描写をご堪能いただけたならなによりです!
    作者としても筆が乗った部分なので、お褒めにあずかり大変嬉しく存じます!
    タイトルが牧歌的(?)な分、プロローグは意表を突くというか、バトル展開から始まるというあたり意外性を意識してみたつもりです。私自身空戦を描くのを我慢できなかったということもありますが……。汗
    そして物語の細かなディテールまで読み取っていただいて感無量です!リザードもサラマンドラも架空機ではありますが、現実にこういう機体があったら……と実感を伴って想像していただけるような書き方をしてみました。そのあたりもお楽しみいただけたなら幸いです!


  • 編集済

    火竜の舞う空(一)への応援コメント

    プロローグ、めっちゃじっくり拝読させて頂きました。国名、地政学的な情報、兵器名、過去の大戦の経緯や、傀儡(植民地)などの設定、パンクするギリギリのレベルで巧みに収められている感がとても良かったです。

    サラマンドラ、というのは主人公が乗る機体ではなく、憧れ(畏怖もありそうな)をもって目にした「別の誰かが乗っている機体」だったとは!

    なんとなく、サラマンドラにはFW109の剛健なシルエットにTa152の雄大さと流星の逆ガル翼を掛け合わせたような、そんなイメージを感じますね。

    実は、御作を読もう読もうと思ってすごい時間を経てしまいましたが、こうして拝読しに来れましたが想像以上のワクワク感があります。楽しみです٩( ''ω'' )و

    作者からの返信

    防衛太郎さん、このたびは拙作をご高覧いただきありがとうございます!
    私、昔から飛行機が好きで飛行機モノ小説を書きたいなぁと長年思っていたのですが、なかなか知識や文章力が追いつかず……。
    『サラマンドラ』はそんな私が初挑戦した飛行機モノ小説でございます。お見苦しい部分も多々あるかと存じますが、ヒコーキへの情熱は注いだ(つもり)の作品なので、ご笑覧いただければ幸いでございます!
    プロローグは読了されたということで第一話の種明かしになりますが、サラマンドラを敵として出すというのは一種のミスリードだったんですね。個人的に「怪獣映画メソッド」(怪獣映画では怪獣それ自体ではなく目撃した人間の反応でドラマを作る)と名付けているのですが、この場合の怪獣がベルカンプ少尉から見たサラマンドラとお思いいただければ……!
    サラマンドラ、作者としても全体的なシルエットはTa-152と流星改をイメージしたつもりです!ううう、分かっていただけて感無量でございます……!
    このさき空戦シーンなどもお送りいたしますので、なにとぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

  • サラマンドラを郵便飛行機に、という言葉を聞いて、ユーリが失笑するシーンがありましたが、実際そうなんですよね。

    現代の戦闘機も、役目を終えても誰かに利用されるのは精々、NASAなどの研究機関ぐらいで、極一部。
    それ以外は標的無人機にされるか、スクラップか。
    ましてや、敗戦国の戦闘機だなんて。

    案外、戦闘機というのは儚い乗り物ですよね。

    作者からの返信

    @flanked1911さん、応援コメントありがとうございます!
    お返事が遅れてしまい大変申し訳ありません!
    おっしゃるとおり、戦闘機というのは戦うこと以外にはほとんど使い途がないんですね。
    大勢の人を乗せることも出来ず、荷物を積むのにも向かず、そのくせ燃費はどんな飛行機よりも劣悪で、整備にも手間がかかるわけですから。
    個人的にはこの世で最も用途の限られた、潰しの利かない道具のひとつだろうなと思います。
    (もちろん徹底的に無駄を省いたことで生まれる機能美もありますが……)

    そして当時のユーリ(ユリアン)も戦うほかに生きる術を知らなかったので、戦闘機と自分自身を重ね合わせていた節はあります。
    戦争が終わったら自分も生きる目的を失ってしまうという不安を抱えていた彼にとって、サラマンドラを郵便飛行機にするという荒唐無稽で突拍子もないアイデアは、生きていくための道筋を示してもらえたように感じられたのではないかなあと思います。

    次のエピソードはいよいよ最終話となりますので、ぜひぜひお楽しみください!

  • 凍てついた墓標(四・終)への応援コメント

    どことなくMS igloo味を感じる。

    作者からの返信

    応援コメントありがとうございます!
    MS igloo、私もずいぶん前に観ましたが、ガンダムシリーズのなかでも戦記風で渋いいい作品でしたねえ。
    たぶんあの作品も松本零士『戦場まんが』シリーズ(ザ・コクピット)を意識していると思うのですが、今回のエピソードも戦場まんがにたまにあるホラー(あるいはファンター)+ミリタリー風味を取り入れてみたつもりなので、そのあたり共通点があるかもしれません。
    次回のエピソードもぜひぜひお楽しみいただければ幸いです!

  • 少女画家と戦闘機(五)への応援コメント

    イベント参加ありがとうございます。
    朝の忙しい時間なので取り敢えずの感想を一言だけ言わせていただきます。

    非常におもしろいです。

    改めて読み終わってから、レビューをかかせていただきます。
    続編も描かれているようですね、頑張ってください。

    作者からの返信

    @flanked1911さん、はじめまして!
    このたびは拙作をご高覧いただきありがとうございます!
    戦闘機モノの自主企画ということで参加させていただきました。ご挨拶が遅れてしまい本当に申し訳ありません。
    架空世界の架空機ということでいわゆる仮想戦記とは言い難い本作ですが、お楽しみいただけたなら作者としてなによりの光栄に存じます!
    無印は完結、Ⅱは現在連載中ですので、今後ともぜひよろしくお願い申し上げます!

    編集済
  • 少女画家と戦闘機(四)への応援コメント

    く~~かっこいい!

    わたし発進シークエンス大好きなんです。
    リアルでも、飛行機の離陸ずっと見てられます。

    今後も楽しみです。

    作者からの返信

    奈月沙耶さん、はじめまして!
    このたびは拙作に応援コメントを頂きまことにありがとうございます!
    飛行機の発進シークエンスのよさが分かっていただけてとてもうれしいです!
    クルマでも飛行機でも、なんというか冷たい機械に人の手で命が宿っていく感じがして、私もとても好きです!
    この後の話もメカ描写多めでお送りいたしますので、今後ともお楽しみいただければ幸いです!

  • 火竜の舞う空(三・終)への応援コメント

    高速郵便機と言うと、TUー144思い浮かべてしまいましたw
    荷物スペースがほぼ無い戦闘機用のドロップタンク形状のコンテナと言うのがありますが、この時代設定だとやはり、燃料かなあ。

  • セリフ、描写、設定と、すごく好みでした!
    特に機械系の描写ですが体感を感じられる書き方で良かったです。
    それにそったセリフやキャラのちょっとした思考描写がリアル感を増してるようです。キャラがこの世界で生きている感がとてもありました。

    飛行機モノを探していたのでこの作品を見つけられてラッキーでした!!
    追っていきたいです!

    作者からの返信

    @zip7894さん、はじめまして!このたびはレビューと応援コメントありがとうございます!
    メカニック描写はこの作品を書くにあたってとくに力を入れた部分なので、お褒めの言葉をいただいて本当にうれしく存じます!
    『サラマンドラ航空郵便社』は飛行機好きとしてひたすら「好き」と「コダワリ」を詰め込んだ作品なので、この後のエピソードもぜひぜひお楽しみくださいませ!

  • 最後の竜騎士(六・終)への応援コメント

    おお、これで終わりか、と思うほど、世界観に浸ってました。ああ、続きが読みたいですね……。

    面白かったです。
    世界観が本当に好きです。
    戦争が終わってまもない、まだ戦争の爪痕が残る時間の、人と人とをつなぐ物語。
    よかったです。
    あ〜、うまく感想が言えないのがもどかしい。
    胸の中に温かい余韻が残っています。

    素敵な物語をありがとうございました!

    作者からの返信

    最終話まで読了いただきありがとうございます!
    ありがたいお言葉を頂戴して本当にうれしく、また光栄に存じます。
    この物語を読み終わったあとに余韻や名残惜しさを感じてもらえたなら、作者としてなによりの喜びです。
    「戦闘機で郵便モノを!」というコンセプトから立ち上がった本作ですが、郵便はともかく人によって合う・合わないの差が激しいミリタリー物ということもあり、執筆中はご覧になった方に受け入れてもらえるか少し不安でした。
    あたたかいご感想をいただいてホッと胸をなでおろしております。この物語をお届け出来てよかったなぁと心から思えます。
    いまのところ予定は未定ですが、もしかしたらこの先ユーリたちのその後を書くことがあるかもしれません。いずれまたサラマンドラの翼が物語を運ぶときをお待ちいただければ幸甚の至りです!

    編集済
  • アヒルたちの栄冠(一)への応援コメント

    ツイッター上でも相互フォローさせて頂いております。
    だらてんりんと申します。
    応援コメント遅れましたが、とても面白いです。
    月並みな感想で恐縮ですが、
    頑張って下さい!

    作者からの返信

    お返事遅れてしまって申し訳ありません!
    ツイッターの方ではお世話になってます!このたびは拙作をご高覧いただきありがとうございます!
    楽しんで頂けたなら作者としてとてもうれしく存じます。感想をいただけて光栄です。
    このさきもお楽しみ頂ければ幸いです!

  • 最後の竜騎士(六・終)への応援コメント

    頭の中にありありと姿を描けるまでに突き詰められた、主役メカ・サラマンドラの設定、作中においては「設計」でもあるそれが、起死回生の肉迫攻撃を含め、あらゆるドラマを生み出す感がありました。

    やはり最高のハードウェア・ストーリーだと思います。

    良作をありがとうございました。

    作者からの返信

    最高のハードウェア・ストーリー、私にとってこれ以上ない褒め言葉です!この物語を書き上げてよかったと心から思えます!
    タグに「メインヒロインは戦闘機」と銘打っているだけあって、サラマンドラの描写にはしつこいくらいに拘ってみました。戦闘機やメカ全般に馴染みのない読者様には置いてきぼり感があったのではないかと心配ではあるのですが、そのぶんメカ好きの方には楽しんで頂けたのではないかと自負しております。幾千幾万もの機械部品が一つの意志のもとにひとつの具象をなし、乗り手の意志のもとに整然と駆動する美しさや躍動感を表現することが出来ていたなら、作者としてこれ以上ない喜びです!
    物語はここでひとまず終幕となりますが、もしかしたら、いずれふたたびサラマンドラとユーリたちの物語を綴る日が来るかもしれません。
    そのときはどうかまたサラマンドラ航空郵便社の冒険にお付き合い頂ければ幸甚の至りです。
    最後になってしまいましたが、本作を最終回までお読みいただき、本当にありがとうございました!

  • 第一話辺りではなんとなく読み流してしまってましたが、四十ミリ機関砲ってもうA-10神以上のオーバーキル対戦車クソ戦闘爆撃機じゃないですか!(歓喜)

    むしろ戦車を撃つべき。


    そして、ああ、少女かあ「天才少女」かあ……

    でも、テオの中にユーリを通じてレオの意思や願いが引き継がれてるように感じました。名前の響きが似てるのは(偽名でないのなら)いわれなきことではないのだな、と。

    作者からの返信

    40ミリ機関砲は完全にロマン武装ですね!
    大戦中はP-39やホーカー・ハリケーンのように40ミリ前後の大口径砲を搭載した戦闘機もごくわずかながら存在しましたが、今回の話のように対戦車攻撃に使われるとなるとほとんどスツーカかシュトゥルモヴィークか!?といった趣があります。(逆ガル翼もスツーカっぽさに拍車をかけてる気がします…汗)
    さすがに40ミリ弾ともなると破壊力も桁外れなので、徹甲弾ならどんな重戦車の上面装甲もアッサリ貫通、炸裂弾(榴弾)なら重爆撃機でも一発で四散させるまさに必殺武器として猛威を振るっただろうと思います。第一話でベルカンプ少尉がサラマンドラに背後を取られてビビり上がったのも無理はないと思っていただければ…。(笑)
    そしてテオはここまで性別不詳でしたが、過去編、それも本人の与り知らぬところで明言されてしまいました。ユーリは最初から知ってたので、話し方や服装が女の子らしくなくても「そういう性格なのか」みたいな感じでサラッと流していたんですね。彼はサラマンドラの整備をちゃんとしてくれれば他のことは気にしないというような男なので。(いいか悪いかはさておき…)
    レオポルトⅢ世は争いを好まない性格で、前線の兵士が死んでいくことに心を痛める優しい人物でしたが、戦後まもなく若くして亡くなったこともあり、実際の人となりを知られないまま「大竜公国を滅ぼした暗君」というレッテルを貼られてしまっている悲劇の人物だったりします。最強の戦闘機を戦争以外の用途に使うというのはまさに彼の生前の希望そのものなので、レオの遺志はいまもユーリとテオの中に生き続けていると言えるかもしれません。

  • あ、テオじゃなかった……そうか、年齢が合わないですね。ううん心憎い仕掛けを挟んでくるなあ。

    作者からの返信

    うわああ、ミスリードしてしまったみたいですみません!
    サラマンドラを眺めていた青年は大竜公レオポルトⅢ世その人だったんですね。
    一国の君主なので普段は王宮から出ることもないのですが、元老たちの目を盗んでお忍びで外出し、一般人に変装して基地を見に来ていたところをユーリに見つかってしまった感じです。
    ユーリは気づいてませんでしたが、たぶん二人が話してる時も近衛兵が遠巻きにしていたと思います。戦闘機パイロットとしては抜群に優秀でも地上に降りればただの人なので、訓練を積んだプロフェッショナルに気配を消されると分からないということで…。(笑)

  • ああ、この二人はこうやって出会ったんですね……


  • 編集済

    凍てついた墓標(四・終)への応援コメント

     戦火と魔の山に引き裂かれた恋人たちの運命に心を寄せて花を手向ける、リリシズムに彩られた一篇でした。ユーリが二つの国から血を受け継ぐ男であることも、彼のもとエリートでありながらどこか無国籍な雰囲気の漂うアウトローであるというキャラクターをよく裏付けた設定だと感心します。

     ただ、本篇をファンタジーとしてまとめようとするあまり、いささか筆が走りすぎておられるな、というのが正直な感想です。
     レルヒの消息とリサの訪問の実在が同時ににどちらも怪しい、というのはどうにもハードルが上がりますね。これで済んでいればまだよかったのですが、サラマンドラの電装ケーブルが都合よく着陸後に通電不良を起こす、というのは重なり過ぎなのでは。

     いろいろ想像をたくましくしてみても、他人の機体を軽々しく欲しがる程度のパイロットが、狙いすましたように着陸後に不調を起こさせる仕掛けを仕組むだけの技術ないし手段をもって、あるいは知っている、というロジックが文中からは読み取れず、また、そのような人物が採りうる手段のなかにこのような巧妙な結果を引き起こす手段が考え及ばないのです。

     ここは少々無理をしても、ケーブルが不調を起こす原因を曖昧さのない確固としたものにしていただくべきだったかと。

     ハードウェアに焦点を当てた硬質な物語の中にファンタジーを織り交ぜる以上は、それは作品のリアリティレベルをエピソードのために甘くすることではなく、リアリティをより厳格に維持したところで行われるべきだ、と考えるのですが……

    作者からの返信

    お読みいただきありがとうございます!
    ご指摘の部分についてはまことにごもっともだと思います。
    実際に私自身あらためてこのエピソードを通して読んでみたとき、やはり同じ部分で不自然さや引っかかりを感じました。まさしく正鵠を射たご意見であり、お恥ずかしながら書き手として至らなかったことを痛感いたしました。
    戦争にはつきものの幽霊話をやろうとしたつもりが、リアリティ路線と食い合わせが悪かったことは認めざるを得ないと思っております。
    送電ケーブルの故障については初稿の段階では「着陸時の衝撃による故障=魔の山に捕まった」という形で描写していたのですが、本作をカクヨムにアップするにあたって現在の形に修正してしまったという経緯があります。
    自分では名もない同業者の腹いせを通して人間の悪意を演出したつもりだったのですが、物語としては違和感を生じさせてしまった…と、今更ながらに判断の甘さを悔いております。
    正直いまからでも改稿したい気持ちはあるのですが、いったん発表してしまった(読者様の目に触れてしまった)以上は書き直しはせず、私自身の戒めという意味も込めてあえてこのままの形で残したいと思います。
    ご指摘いただいた点をよくよく肝に銘じて、今後の作品に活かして行ければと思っています。
    ご教示を頂けたことに改めて心からの御礼を申し上げます。

  • 凍てついた墓標(二)への応援コメント

    おおっと、物語の前提が覆った…!?

  • 土壇場での見事な主役交代劇、魅せられました。
    やはり前に某所でお話した通り、メカ物はそれを動かす「人」と不可分ですね。

    それぞれの機体への愛着と信頼、そして相手の技術へのリスペクト。

    そして、この話がサラマンドラをめぐるサーガの一挿話であるという比重のちょうどよさも大変絶妙だと思います。続きも楽しませていただきます!

    作者からの返信

    お読みいただきありがとうございます!
    「アヒルたちの栄光」は私も好きな話なので、気に入って頂けたなら大変光栄です!
    現実世界でも軍用の小型水上機はWW2の終結から十年ほどで消えてしまったカテゴリなので、このお話にはそんな古きよき時代へのノスタルジーをたっぷり詰め込んでみました。(私が水上機好きということもあります…笑)
    超高性能をほこる最新鋭戦闘機サラマンドラと旧式の複葉水上機シードラゴン、そして両機を操るユーリとゴルドンの境遇はまさに対照的で、意地の悪い見方をすれば「月とスッポン」的な表現も出来るんですね。
    実際のところユーリも当初はゴルドンと彼の愛機を信用していなかったのですが、嵐の海を飛ぶという困難な任務を通して彼が本当の実力を備えたパイロットであることを理解し、最後には深い尊敬の念を抱くようになりました。ラストシーンのテオとのやり取りでユーリが柄にもなく希望的観測を述べたのは、不器用な彼なりの友情と敬意の表明と解釈することも出来るのではないかなぁと作者としては思っています。

    編集済
  • アヒルたちの栄冠(二)への応援コメント

    良いおっさんが出てくる戦記物は傑作。間違いない!

  • 最後の竜騎士(六・終)への応援コメント

    ふぅ、最高に楽しませていただきました!

    というか、メインヒロインと空を飛ぶためにサブヒロインに色々と無茶をさせるユーリは本当に悪い男ですねw

    作者からの返信

    最終回までご高覧頂きありがとうございます!
    ラストバトルは最強のサラマンドラ同士(一方はとんでもないゲテモノに改造されてますが…笑)の一騎討ちと相成りました。かつての上官と部下が同じ機体に乗って死闘を演じるというシチュエーション、ぜひ一度書いてみたいなあと思っていたので…。読者の皆様にもロマンを感じてもらえたなら嬉しく存じます!
    ユーリにとってはサラマンドラがメインヒロインなんですね。(笑)刹那・F・セイエイにとってのガンダムみたいなものと思ってもらえれば近いのではないかなと思います。
    一方でテオのことは一回り年下ということもあってあくまで仕事仲間と思っているのですが、シュローダー大佐が彼女に危害を加えることをほのめかしたときは珍しく激昂しているので、単なる仲間以上の絆で結ばれていることも確かです。続編を書くことがあれば二人の関係についても掘り下げてみたいなぁと思っております。
    最後になりましたが、たくさんの応援と評価をいただき本当にありがとうございました!この場を借りて心からの御礼を申し上げます!

  • 凍てついた墓標(四・終)への応援コメント

    この、正しくファンタジーな空気が好きです。

    作者からの返信

    ありがとうございます!そう言って頂けてとてもうれしいです!
    今回のお話はファンタジー成分多めでお送りしました。いままでの話とは若干毛色が違いますが、これも古きよき時代ならではということで…。(笑)
    リサが幽霊だったのかどうか、偵察機に乗っていた彼がどうなったのか、あえて「語らない」ことを意識してみたつもりです。幻想は語るほどに消えてしまうような気がするので、そのあたり私なりに気を遣ってみました。「すこし不思議(SF)」なテイストを感じてもらえたなら何よりです!

  • ゴルドン、もしかして一人で任務を遂行出来たのでは。なんてことを思ってしました。そしてその上で上はだれも信用していなくてユーリに依頼したのかなぁとも

    作者からの返信

    まさにそのとおりです。ゴルドンの技量なら一人で運ぶことも出来たのですが、海軍の上層部は戦時中からの因習で水上機パイロットを下に見ていたのに加えて、「旧式のオンボロ飛行機では…」という不安感からユーリに依頼したんですね。
    ユーリは技術的にはベテランで、誰かに教えを請う必要もあまりないのですが、ゴルドンはそんな彼をして畏敬の念を抱かせる稀有なパイロットでした。嵐の中での飛び方を教えてもらっていなければサラマンドラは無事では済まなかったはずなので、ある意味で生命の恩人とも言えますね。
    ラストシーンはそんな尊敬出来る飛行機乗りを惜しむ気持ちを、青空に伸びた一筋の飛行機雲に託している…という感じですね。松任谷由実さんの有名な歌っぽくもあり。(笑)

  • ガンカメラで故郷の風景をラウラに取ってあげるのかと思ったら、そういう!

    そりゃ、革命軍事国家なんですもの。その情報には価値がありますよね。

    そしてユーリたちがこのご時世ならそれこそ傭兵という手段もありそうなのに、あえて航空郵便社をやっている理由は今は分からないのですが、何か深い理由があるんだろうなぁと思いつつ続きを読ませていただければと!

    作者からの返信

    ガンカメラにフィルムを大量に積んでいったのは対空陣地を撮影するためだったんですね!
    本編では触れませんでしたが、ガリアルダ人民戦線には他の国々も偵察を行っていて、しかもどれも失敗しているんですね…。沿岸部の対空砲に阻まれて飛行機は半島に接近出来ないので、内陸部の様子というのは全く謎のベールに包まれていた感じです。
    飛行機は高価、そしてパイロットはそれ以上に貴重なので、それらを失うことなく紛争地帯の詳細な情報が手に入るなら、マドリガーレ空軍は二つ返事でフィルムを買い取っただろうなと思います。(笑)
    ユーリたちは傭兵をやるなり空軍に就職すればかなりいい待遇が約束されるはずです。それでもあえて非合法の航空郵便社を営んでいる理由については追々明かされてまいりますので、ぜひご期待ください!

  • 少女画家と戦闘機(五)への応援コメント

    無茶苦茶野暮なことは分かった上で、サラマンドラが武装して戦うシーンを見てみたい・・・・・・ なんて事を考えてしまいました。ELSクアンタを実戦投入する程度には野暮ですし、現状レベルの相手だと過剰極まりないですし。武装していないからこそのかっこよさだと理解した上で・・・・・・

    作者からの返信

    いえいえ、お気持ちは分かります!
    サラマンドラは本来ならとんでもない重火力を搭載した戦闘機なんですが、ユーリはとある理由で愛機からすべての武装を取り除いてしまったんですね…。
    機体が軽くなったことで航続距離も伸び、運び屋の仕事には適した仕様になってはいます。軍の規格を逸脱した世界で唯一のサラマンドラ・カスタムですね。
    ネタバレになりますが、この先のエピソードではサラマンドラが「まだ戦闘機だった時代」のことも掘り下げてまいりますので、ぜひぜひご期待いただければと思います!

  • 少女画家と戦闘機(二)への応援コメント

    あーもう! 最初の流れから日常物だと思ったら、こんなにワクワクして刺激的な日常だなんて! もう、最高じゃないですか!

    作者からの返信

    ありがとうございます!彼らは非合法な運び屋なので、舞い込んでくる仕事も訳ありばかりなんですね。(汗)

  • 火竜の舞う空(三・終)への応援コメント

    ここまで、ここまで描写しておいて郵便飛行機!?

    と思ったのですが、題名の時点で提示されていたことを思い出しました。いやぁ、完全にベルカンプ少尉の視点で戦闘の熱に飲まれて、そして一緒にサラマンドラを見送った気分です。

    この空戦は何かの秘密任務とか、新たな戦争の引き金なのではなく。話を読む前から戦争は終わっていて。ここから日常が始まるんだと強く感じました。

    作者からの返信

    そう…サラマンドラ航空郵便社というだけあって、郵便飛行機なんですね!(笑)
    本文中でも書きましたが、最強の戦闘機でありながら郵便飛行機というのはなかなかアンビバレントな取り合わせです。ふつう郵便飛行機といえば非武装の戦闘にはまるで不向きな飛行機が使われるので、サラマンドラのような戦うためだけに作られた純然たる戦闘機とはまるで対極にある存在だと思っていただければ間違いないと思います。
    この物語は大きな戦争が終わったあとの時代が舞台なんですね。私の好きなロボットアニメは第一話のサブタイがいきなり「終戦」だったりするので、「戦争がもう終わっている」というシチュエーションは個人的にとてもツボだったりします。

  • 火竜の舞う空(二)への応援コメント

    あまり航空機には詳しくないのですけれど、雰囲気だけでものすごくワクワクしております。

    こうどうしても自分の知識不足からロボットアニメ的な理解になってしまうのですが、腕は良いと自認しているのにリザードなんて呼ばれる機体を駆るベルカンプ少尉と、彼の前に現れた大戦で無敗の伝説を持つサラマンドラなんて流れがたまりません!

    一般の兵士の間では、そんなものがプロパガンダと言われていたなんて描写が、逆にサラマンドラの恐ろしさを示しているようにすら感じてしまいます!

    作者からの返信

    応援コメントありがとうございます!
    ロボットアニメ、私も大好きです!いままで見てきた経験がこの作品にも有形無形の影響を与えていると思うので、ロボアニメ的な読み方をして頂いても全然問題ないと思います!(笑)
    ベルカンプ少尉はこのエピソードの主役と言うべき人物ですね。先の戦争に間に合わなかった忸怩たる思いや、平和の中で無為に年齢を重ねていくことへの恐れと焦り、愛機リザードと自分の境遇を重ね合わせているところなど、単なる血気盛んな若手パイロットというだけではない複雑な心境を読み取って頂けたなら作者として嬉しく存じます!

  • 航空郵便をネタにブラックジャック的な展開をやるとか、ズルい!w

    いやあいいですね、無敵を誇った兵器の最終型、大戦争後のきな臭い国際情勢、精緻な空戦を土台に、老人と若者の対立と和解、家族の愛情を描いて最後に人情で〆。

    この調子でオムニバス形式でやるのかと思うとワクドキです。

    作者からの返信

    応援コメントありがとうございます~!
    お褒めに預かり大変光栄です!本作は戦闘機による空戦モノという体裁を取っていますが、飛行機を取り巻く人々の物語として書いたつもりなので、そのあたりの意図を読み取って頂けて本当に嬉しく存じます!
    ブラックジャックは書きながら私も意識してました。(笑)
    ジェットほどではないとはいえ、戦闘機を飛ばすのには結構な金がかかることには変わりないので、いくら顧客に事情があってもタダには出来ないよなぁ…と思いまして。マドリガーレ空軍にしてみれば危険な紛争地帯の情報が犠牲を払うことなく手に入って、周辺国を出し抜いて宗主国の歓心を買うことも出来たので、結果的にはWin-Winに終わった感じですね。
    この後のお話もぜひぜひお楽しみ頂ければ幸いです!よろしくお願い申し上げます!

  • 少女画家と戦闘機(四)への応援コメント

    機体の出自とたどった経緯から、この後どんな活躍をするか、それに耐えられる機体であるか、ということが語られる。力強いハードウェア描写だと思います。美しい。

    作者からの返信

    応援コメントありがとうございます!
    うおお~!そう言っていただけて感無量です!
    書いてる時は「ちょっとくどいんじゃないか…?大丈夫かな…?」と心配でもあったのですが、そう言って頂けると報われる思いがいたします。
    「戦闘機がメインヒロイン」とタグにぶち上げている小説なので、ヒロイン初登場シーンということでメカニカルな部分は精密に詳細に描くように心がけてみました。なんというかこう、美男美女の描写をついつい入念にやってしまう感じで…。(汗)
    サラマンドラ、陸上機でありながら空母への着艦に耐えられるくらい頑丈なランディングギアを持っているという所はこの後のストーリーにも関わってきますので、頭の片隅にでもお留め頂ければと思います!この後のお話にもなにとぞご期待ください!

    編集済
  • 火竜の舞う空(三・終)への応援コメント

    戦闘機乗りの誇りにしがみつくベルンカンプの心情が悲しいまでに胸を打ち、それをあっさりと振り切っていくサラマンドラのパイロットへの興味にシフトしていく。

    一流の脚本でしばしばみられる構図なのですが、これをカクヨムで読めるのは大変欣快でした。ベルンカンプは今後も登場するのかちょっと気になりますが、出るとしたら非常に美味しい立ち位置になる事でしょうね、真の主人公をかすませるくらいの。

    作者からの返信

    プロローグを最後までお読み頂き本当にありがとうございます!
    血気盛んな若手パイロットの焦燥と意地、それを悠々と飛び越えていくサラマンドラの存在感をお楽しみ頂けたなら書き手として何より嬉しく存じます。
    私は勝手に「怪獣映画のセオリー」と名付けているのですが、あえて視点を観測者の側に固定することでサラマンドラの恐ろしさや高性能ぶりを描写してみました。効果があるかどうかは書いてる人間にはよく分からなかったりもするのですが、ありがたいお言葉を頂いてホッと安堵しております。
    ベルカンプ少尉はたまたま怪獣と遭遇してしまった防衛軍パイロットのようなものですね。これが怪獣映画ならそのまま撃墜されているところですが、結果的にサラマンドラに助けられることになりました。戦闘中は敵意に支配されていた彼ですが、最後に残ったのは「美しさ」への純粋な感慨だけだったというのはある種の浄化と言えなくもないかなあと思います。
    第一話からはいよいよサラマンドラ航空郵便社の話が始まりますので、引き続きお楽しみ頂ければ作者として幸甚の至りです。なにとぞよろしくお願い申し上げます!

  • 火竜の舞う空(二)への応援コメント

    ああ、予期した通り、そしてそれ以上の薫り高い空戦、マシーンにおのれの命と誇りを託した男の及ばぬまでのあがきが美しい。そしてそれを支える旧時代の空戦と飛行機技術に対する知識……実に気持ちいいです。

    作者からの返信

    応援コメントありがとうございます!
    もったいないお言葉を頂き、書き手として本当に嬉しく、そして光栄に存じます!
    ベルカンプ少尉にとっては植民地の空軍でいつまでもくすぶっている自分と、宗主国におざなりな改良を施されて使われ続けている愛機リザード改の境遇が重なっているんですね。二流の烙印を捺されているところなんかも…。
    そこへ現れた伝説の戦闘機サラマンドラは彼にとっては憎らしいまでの羨望の的であると同時に、自分をどん底から栄光へと導いてくれるチャンスとして映ったはずです。
    とはいえ現実は彼が思うよりずっと厳しかった訳ですが、ベルカンプ少尉の戦闘機乗りのプライドや鬱屈した心情のようなものを感じ取って頂けたなら何よりです!

  • 火竜の舞う空(一)への応援コメント

    史実さながらのもどかしい兵器開発史を紐解いたうえで、その期待を操る視点キャラの前に出現する謎の新鋭機! 滾ります。

    ベルンカンプがどういう道をたどるか楽しみにしつつ次話へ!

    作者からの返信

    応援コメントありがとうございます!!
    そう言っていただけて書き手として大変光栄に存じます!
    本作では私がこれまでやりがちだったくどくどとした設定語りを飛ばしていきなり状況から始まるスタイルを試してみたのですが、お楽しみいただけたなら何よりです!
    負けた側の兵器が勝った側に有効性を見いだされて戦後もなんやかや利用されるというのは個人的に好きな要素なので、”竜もどき”の設定にはそれを思いっきり反映させてみました。
    次回以降もお読みいただければ幸甚の至りです。なにとぞよろしくお願いいたします!

    編集済