12 発光体を見た話
先日、政府が存在を認める発言をして、
注目度が高まったUFO。
もしかしたら、見たことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんね。
私は昔、正体不明の発光体を2回見たことがあります。
1、銀色に輝く球体。
私が中学校3年生の頃。
冬も盛りの12月、
家族全員で隣県のテーマパークに行きました。
高速道路に乗りはじめたときは、
妹と「楽しみだね。」なんて会話をしていたのですが、
距離があるので話題がすぐにつきてしまいました。
妹が会話に飽き、眠りはじめてしまったので
退屈になり時間をもてあますことに。
(ああ、暇だな。)
と、外の景色を見ようと顔を上げてフロントガラスを見たときに、私の目は釘付けになりました。
雲が少なく晴れ渡った真っ青な空に、
ぽつんとひとつ、無機質なものが浮かんでいます。
遠くにあり、米粒ほどの大きさでしか見えませんが、それが銀色で、算盤の珠のような形をしていることは分かりました。
アルミホイルのような銀色というよりは鉛に近く。
燦々と太陽が照っているのに、
あまり光を反射させていませんでした。
私は驚いて、家族に妙なものが浮かんでいると
訴えましたが、誰一人話を聞いてくれず、
運転をし、前方を見ているはずの父でさえ、
その存在に気づいていないようでした。
私はせめて証拠を残そうと、
当時持っていた携帯電話で撮影するために
電源をいれたのですが、
その謎の球体は、携帯が稼働するや否や、
ぴかっと白く光り、消えてしまいました。
いくら見たと伝えても、
一緒にいた家族から「嘘をつくな。」と
否定されたので嫌になり、
誰にも言うもんか、と頑なになったのでした。
2、十字架
今から数年前、
社会人2年目になって迎えた秋のこと。
13時から22時までの遅番の勤務を終えて
真夜中の町を車で走っていました。
店の灯りが消えて、
数メートル間隔で配置された街頭が
眩しい光で道を照らしていました。
疲れを自覚していた私は、
気を引き締めるためにハンドルを強く握り、
信号待ちの時には瞬きをしたりしました。
疲れ目になっている感覚があったのです。
(まずい。目眩を起こしているのかな。)
あるものを見て、私はそう思いました。
道の両脇で規則正しく並んでいる街灯。
左側に並ぶもののうち、
ひとつの光だけが
列から飛び出して見えたのです。
車を進めていたので、
あまりよそ見をしてはいけないと思いつつ、
その光が気になって斜め左上をちらちらと
見ていると、
それが動いていることが分かりました。
街灯と同じ、いや、
それ以上に眩しく大きな光が
下降しながら前進しているのか、
どんどん光が大きくなってきているのです。
一瞬飛行機かと思いましたが、
それとは比べ物にならない大きさの光であります。
ただ、動きがゆっくりのため
それに追いついてしまい、
とうとう追い越すことに。
後部座席の窓にまで光がおいやられ、
もう見えなくなるといった寸前、
光はいっそう大きく、強く輝きました。
先程より何倍も早いスピードで動き出したかと思うと、その丸い光を中心として、
そこから小さな光が3個ほど均等な間隔で
十字に放たれました。
それは、十字架のような隊列を組み、
点滅しながらすさまじい早さで飛んでいってしまいました。
それが見えていたのは私だけらしく、
周りの人達は気に。
運転はなんとかできましたが、
今見たものの衝撃が強く、
しばらく放心状態になってしまいました。
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