太陽が消えたら霊が現れた。

ハードSFのような壮大な世界観、ミステリのような伏線と謎、ラブコメのドタバタ劇を、ライトノベルの読み味でまとめたようなファンタジー作品です。ジャンルの縛りなんて鎖は、水樹先生が手刀でブッチ斬ります!

特筆すべきは、物語の背景設定です。この世界における霊の出現・消滅過程や、彼らへの対処を行う霊能官の組織構成に至るまで、本当にこうだったらワクワクするのになと思わせる様々なギミックが目白押し!

一つ一つの設定用語にセンスがみなぎっており、読んでて飽きませんね。お気に入りアニメの設定資料集を延々と眺めていたいという、あの感覚になりました。

すでに2クールアニメ分の物量が完成しているので、ここを読むだけでも、様々にドラマティックな物語が生まれる予感がします。冒頭の世界観設定を読んでビビッと来た「そこのあなた」のために書かれた作品です。

また、日常パートでは喋るウーパールーパーや、致命的に料理の出来ないヒロインなど、それまでの緊張をほぐすような場面があって、一息つけます。登場人物もクセ者揃いで、台詞の掛け合いが面白いです。あと、おっぱい星人(?)もいます。←ここ重要

文章表現は、崩すところと締めるところを、シーンに応じて使い分けられているように読めたので、ある程度小説を書き慣れた方なのかなと。

これからこれらのキャッチーな設定が、物語のクライマックスへとどのように繋がっていくのか、楽しみでなりません。

水樹先生、早く続きを!

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