ハードSFのような壮大な世界観、ミステリのような伏線と謎、ラブコメのドタバタ劇を、ライトノベルの読み味でまとめたようなファンタジー作品です。ジャンルの縛りなんて鎖は、水樹先生が手刀でブッチ斬ります!
特筆すべきは、物語の背景設定です。この世界における霊の出現・消滅過程や、彼らへの対処を行う霊能官の組織構成に至るまで、本当にこうだったらワクワクするのになと思わせる様々なギミックが目白押し!
一つ一つの設定用語にセンスがみなぎっており、読んでて飽きませんね。お気に入りアニメの設定資料集を延々と眺めていたいという、あの感覚になりました。
すでに2クールアニメ分の物量が完成しているので、ここを読むだけでも、様々にドラマティックな物語が生まれる予感がします。冒頭の世界観設定を読んでビビッと来た「そこのあなた」のために書かれた作品です。
また、日常パートでは喋るウーパールーパーや、致命的に料理の出来ないヒロインなど、それまでの緊張をほぐすような場面があって、一息つけます。登場人物もクセ者揃いで、台詞の掛け合いが面白いです。あと、おっぱい星人(?)もいます。←ここ重要
文章表現は、崩すところと締めるところを、シーンに応じて使い分けられているように読めたので、ある程度小説を書き慣れた方なのかなと。
これからこれらのキャッチーな設定が、物語のクライマックスへとどのように繋がっていくのか、楽しみでなりません。
水樹先生、早く続きを!
冒頭からの美しくも儚い、壮大な幕開け。そして物語を読み進めていくと共に明らかとなっていく、ヒロインの深淵と世界の裏側……。
主人公やヒロインを含め、登場人物それぞれが記号ではなく一人の人間として生きている。これは簡単なようで実は相当難しい。世界観や名称の説明一つ一つにおいてもそうだ。作者様は、描写の中で「流れるように説明を入れる」ことが上手い。重厚な設定のもとに成り立っている話だというのに、読む側にはまるで無理解のストレスが存在しないのだ。
そして、なにより話が面白い。誰もが一度は想像したことのある「幽霊」や未来の科学技術。それらオカルトと科学という本来なら交わることのないロマンが絶妙に織り混ざっているのだ。
最後に、ファンとなった私から一言。
浮遊霊と霊能者が交錯する時、物語は大きく動き出す──!
舞台は近未来。霊の存在が当たり前の世界。
そんな中、記憶を無くした男の浮遊霊がとある少女に助けられる。
普通ならば、浮遊霊はこの世にとどまることは許されない。故に記憶がないが、浄霊の決まった浮遊霊の男。
そして浮遊霊の男と女子高生の交流。
しかし、見所はこれだけじゃありません。
浮遊霊の男に関わる女子高生は一人ではなく、他にもいるのです。
更には、作り込まれた世界観。女子高生達の持つ秘密。
ウーパールーパーも加わり、シリアスであり、何処となくコミカルでもあり。
このレビュー現在、十二話まで投稿されているこの作品。
私も続きが気になっています。
最後まで追いかけたい作品の一つです。
お薦めします。